今回、臨床で多く遭遇する心理・社会的症状を含む56症例をとりあげ、基礎的知識をどのように統合・活用していくのか、モデルとして示した。章立ては系統別ではなく看護の視点からみた人間の反応として、呼吸、循環、栄養、代謝、排泄、活動・休息、知覚、理解、伝達、感情の9つの章を設定し、症状は以下の視点よりとりあげた。(1)看護者として臨床でよく経験し、学生も実習で遭遇する(2)患者の自覚的な訴えを中心とする(3)身体症状のみでなく、看護に必要な心理・社会的症状もとりあげる(4)客観的データだけでなく、できるだけ看護者自身の知覚、聴覚、嗅覚などで把握できる(5)できるだけ根拠を明確にできるもの。症状に対する看護を行うための「根拠」として必要な基礎的知識と看護過程の展開を示したが、看護過程の展開は65の事例状況を設定して具体的な記述に努め、アセスメントの関連図も掲載して、より実践に役立つようにまとめた。(「序文」より)