治療学　35/10　10月号

発生　分化に関する研究の進展は世界的に目を瞠るものがある。ヒトES細胞株の樹立をはじめ、幹細胞に可塑性があるなど、十数年前の常識は根底的な転換を迫られている。その応用としての再生医療に対しては、わが国でも移植医療の限界感から、大きな期待が寄せられている。しかし、再生医療は単に移植医療の代替にとどまらず、本特集にみられるごとく、全身のほとんどあらゆる臓器　組織の治療に及ぶ可能性を秘めている。今後は倫理的問題も予想されるが、情報公開に基づく合意の形成が望まれる。