救急医学　26/1　1月号

身体医療の第一の使命は、患者の生命を救うことである。これに対応する精神科医療の第一の使命は、精神障害に基づく自傷他害の防止、すなわち公的性が内に向いた時の自傷、あるいは外に向いた時の他害を未然に防ぐことである。自殺既遂あるいは自殺企図により重篤な後遺症に至った場合、患者のみならず家族も不幸である。他害に至った場合、被害者やその家族はもっとも悲惨であるし、患者も気の毒な面がある。これは精神科救急の短期的視点からの任務といえる。