改訂に際しては、新しい内容を限られた紙面に盛り込むために、皮膚科医としての医学的基盤としては需要であるが、総合診療科領域をはじめ、内科や関連他科領域固有の内容は割愛させて頂いた。総合診療科をはじめ臨床各科の変貌も大きいことなどから、皮膚科に関係する点については本文中に登場する疾患の項目の中で具体的に触れて頂くことにした。従って、皮膚科学の総論、各論の内容は初版に比して最新の情報を加えて数段に充実してきたと自負できる。特に、遺伝学、免疫学、分子生物学領域の進歩、さらに新しい治療法がすべての皮膚科学領域で導入されていることなどを反映した内容となっている。更に、本書は広く世界の皮膚科学を視野に入れながら、日本人にあった日本人の専門的教本を目標とし、それを原点とした。また、多数の参考文献も収載されており、利用価値も高いと思われる。(「第2版序」より)