日常診療で大切なことはまず患者さんの皮膚症状や全身症状などより膠原病を疑うことから始まります。次に抗核抗体などのスクリーニング検査を実施し、その結果膠原病の疑いが強くなれば、さらに皮膚生検、各種抗体など確定診断へと進むかあるいはしかるべき病院に紹介するのが通常の流れですが、例えば抗核抗体は何倍からが意味があるのだろうか、疾患ごとの抗核抗体の陽性率などは教科書にあまり書いていないことが多いといえます。したがって今回は各執筆者の先生に常日頃私が知りたいと思っていたこと、たとえば皮膚症状、スクリーニング検査、確定診断、検査所見の意義などについて特に分りやすい説明をしていただきたいという無理なお願いをいたしました。執筆されている諸先生は各学会、研究会のみならずホットなdiscussionで有名な膠原病・脈管研究会で主役を果たしておられる優秀な方々ですので、テキストブックでは学ぶことができない有益な記載が随所にみられ、編集企画の担当者としても喜んでおります。(「編集企画にあたって」より)