昨今、麻酔・ペインクリニック関連の学会などにおいても、医療事故の問題がさまざまな形で取り上げられるようになっており、しかも聴衆が会場に入りきれないほどの盛況を呈していることが多い。麻酔やペインクリニックにおける事故は、使用する薬剤などの特性からみても簡単に重篤な状況を引き起こす可能性が高く、麻酔科医やペインクリニシャンが医療事故を身近に感じ、強く意識するのは当然のことと理解される。麻酔科医やペインクリニシャンが医療事故を起こす事無く、かつまた医事紛争に巻き込まれることなく、今後の診療を行うための一助となることを願って本書の発刊を企画した次第である。(「序文」より)