耳鼻咽喉科医の診療所開業が盛んなわが国では、小児の上気道疾患患者は耳鼻咽喉科または小児科のいずれも訪れる。少子化の進んでいる現在では、お互いの紹介率は減少しているのではないかと危惧される。これは小児患者にとって不幸なことである。お互いの専門性を十分に生かしながら、より高度な医療を行うためには両科の協力が必須である。とくに薬剤耐性菌による難治性上気道感染症が急増している現在では、耳鼻咽喉科医による中耳炎に対する鼓膜切開、副鼻腔炎に対する鼻処置など、両科の密接な共同治療が必要になってきている。本特集では、小児の外来診療において頻度の高い耳鼻咽喉科疾患について知っていただき、病める子どもに対する小児科医および耳鼻咽喉科医の共同治療の一助になれば幸いである。(「序文」より)