今回の企画では医療環境の変動を見据えて、各領域・代表的な疾患ごとにCTAとMRAで得られる情報の違いを明らかにしていただくことを目的とした。また、もし1つだけ行うとすればどちらを選択するかについてのアドバイスをいただければ、臨床の現場において大いに参考になるものと考える。執筆にあたっては以下の4点について記載をしていただくようにお願いした。(1)領域ごと、あるいは代表的疾患について、スクリーニングまたはルーチンとして適しているのはCTAとMRAのどちらであるのか。(2)代表的な疾患についてCTAとMRAのどちらか一方を行ったあとで、どういう情報が不足していればもう一方の検査を求めるのか。それともその情報をDSAに求めるのか。(3)代表的な疾患のCTAおよびMRAの所見と読影のポイントは何か。(4)また現状でのCTAおよびMRAの診断における限界、および今後どういった点に期待されるか、である。いずれの先生方も、CTA、MRAのいずれも駆使し、臨床、研究に活躍されている。具体的なアドバイスが得られ、われわれの疑問に応えてくださったものと確信している。(「序説」より)