日々の多忙な臨床のなかで最新の知識を取り入れていくことは容易なことではない。特に、がん診療には専門的な知識と見識が要求され、患者もそれを求めて来院する。最近、インターネットを利用して情報入手がますます容易になった。しかし、臨床試験全体の正しい解釈のないまま、結果の一部が一人歩きする傾向がある。都合の良い部分だけが取り上げられ、強調されることがあるので注意が必要である。本特集は婦人科がんを広くカバーし、最新の情報を読者に提供することが目的である。それぞれの腫瘍のもつ問題点を浮き彫りにし、現在の標準的治療と今後の方向性について論じていただくことにした。最新知識整理し、日々の診療のなかに広く活用していただければ幸いである。(「序」より)