シクロデキストリンは澱粉にシクロデキストリン合成酵素を作用させて得られる環状オリゴ糖であり、グルコースがα-1、4結合で連なった分子内に疎水性の空洞を有するホスト化合物である。これまでCyDの包接特性は、食品および香粧品の分野で汎用されてきたが、最近では臨床検査試薬、線維、樹脂、生物工学など多方面で活発に利用されている。医学・薬学の領域では、CyDは医薬品の安定化、溶解性や放出性の制御、油状薬物の粉体化、揮発性や苦味の改善、バイオアベイラビリティの向上、局所刺激性の軽減などに利用されている。(「はじめに」より)