褥瘡は予防が肝要であるが、すべての患者に完璧な予防策を講じることは困難であるので、褥瘡のリスク評価をしたうえで、患者ごとに適切な体位変換、体圧分散などの圧管理を徹底する必要がある。我が国の実状に応じたリスクアセスメントの手法が褥瘡学会で検討され、近い将来公表される予定である。既にガイドラインでは理にかなった圧管理、スキンケア、栄養管理などが示されているので医療チームとして励行を心がけるべきである。さらに褥瘡が発生してしまった場合にも、創傷治癒理論に基づく新しい潰瘍治療薬やドレッシング材が数多く上市されており、創面評価に基づいて使い分けることが求められる。褥瘡学会からは、既にDESIGN分類という創面評価法が発表されており、厚生労働省の褥瘡診療計画書にも反映されている。これらの褥瘡をめぐる現況を踏まえ、本特集では高齢者診療に携わるすべての医療従事者に有用な褥瘡の予防とケアの技法をまとめていただいた。(「巻頭言」より