リウマチ性疾患の診療に従事するものとして、骨粗鬆症の重要性をますます強く感じる。原病の活動性がコントロールされたにもかかわらず、脊椎圧迫骨折のため社会復帰が遅れる患者を経験することがまれではない。これらの患者での骨粗鬆症は続発性と分類される。ステロイド療法が行われている膠原病の患者では、原疾患、体動の減少、治療薬が指摘され、さらに閉経後であることも少なくない。すなわち、大部分の症例で複数の要因が関与する。原発性および続発性骨粗鬆症の境界は明確なものではないと考えることができる。続発性骨粗鬆症への関与が示される疾患は多様である。患者の年齢構成や性別頻度も原発性骨粗鬆症とは異なる。性や年齢など基礎疾患の特徴に加え、処方される治療薬にも相違があり、骨粗鬆症と一括されるが、発症機序や病態整理、臨床特徴から一様ではないと考えられる。骨折の頻度にも相違があることが指摘されている。骨折の予防を管理目標とした続発性骨粗鬆症の診断基準や適切な予防・治療法の確立が必要と考えられる。(「巻頭言」より)