今日では、価値観が多様化し、一人ひとりが求める生命・生活の質も異なってきている。「21世紀の医療のビジョン」のなかで、患者の立場を尊重した医療の提供として、患者の選択の尊重、医療への参加が強調されている。そして患者の選択を通じて、医療の質の向上と効率的な医療提供体制への整備が進められようとしている。インフォームドコンセントや情報・記録の開示、広告規制の緩和、第三者評価の普及も、その一端といえる。そのために臨床の場では、可能な限りの情報提供や情報の共有によって、個人の選択や参加を促進し、QOLを高められるような働きかけが求められている。(「発刊にあたって」より)