本書は、介護老人保健施設、療養型病床郡、特別養護老人ホームなどの高齢者施設の「感染防止対策マニュアル」です。このため、一般病院や高度先進医療を行う病院向けのマニュアルとは取り上げている感染症の種類、具体的内容、対策の方針などが異なる部分があり、過去に出版されているマニュアルとは構成も異なっています。また、こうした施設では日々のケアに医師や看護師以外に介護職、作業療法士(OT)、理学療法士(PT)など多くの方が関わります。なかには、本書に出てくる感染症への対応をほとんどしたことのない方、学校や施設で感染症について学ぶ機会がなかった方も少なくないことでしょう。感染防止対策は、医療従事者のみならず事務方も含めたすべての職員まで浸透することが大切です。したがって、なるべく平易に、わかりやすく、読みやすくを心がけました。(「本書の使い方」より)