やさしいレーザー治療　歯科用CO2レーザーの実践とその症例集

歯科におけるレーザー治療が始まった。そしてその臨床応用が盛んになり日常的に歯科機器のひとつの外科的道具として使用され始めている。レーザーは位相と波長がそろった純粋な光であるが歯科への応用が遅れたのは、レーザー光が熱を発し痛みを伴うためであった。しかし、この問題が解決されるとエネルギー密度が大きく、かつ吸収されやすいレーザーが開発されてきた。一言でレーザー機器と言っても波長の違いなど多種多様であるが、臨床家の一人として何を使いどのような照射方法でどのくらいのパワーを用いるかその確立されたマニュアルはほとんどない。今回歯科用CO2レーザー治療に関して自分なりに結論づけた各症例をご覧いただく機会を得た。マニュアル化し症例もできる限り多くフローチャートで治療の流れを示したつもりである。しかし当然のことながら個人差があり多少の誤差があることを理解していただきたい。あくまで一臨床家の実践レーザー治療であるので、本書を参考に是非先生方なりに応用していただきたい。そこに本書の意義があると考えている。（「序文」より）