今回の改訂では、EBMに基づいた診療ガイドライン作成を目標とし、編集委員のほか、厚生労働省「アレルギー性鼻炎の科学的根拠に基づく医療によるガイドライン策定に関する研究」の研究班員の先生方に、分担項目ごとにEBM的検討を加えていただいた。その結果、本書の内容の的確性を検証することになったため、構成、方向性は1999年の改訂版に準じて、最小限の修正と最新のデータを加えて発刊することとした。また、EBM資料・文献等の膨大な資料はCD-ROMにまとめて、巻末に収載して参考に供する。EBMは本来、目前の患者のために文献を収載、批判的吟味を加えたうえで適応するものである。これをガイドライン作成に応用しようとすると画一的となり、文献も推奨と勧告が強く得られるものはrandomized controlled study(RCS)に限られてくる。本邦にはRCSを用意に行いうる文化的基盤に乏しく、優れた多数の論文があるにも拘わらず、ガイドライン作成の全てにEBMを網羅すること困難である。そのような事情から、本書も前3版の精神と基本方針を受け継ぐことになる。(「序」より)