産婦人科 漢方研究あゆみ No.20

出版社: 診断と治療社
著者:
発行日: 2003-07-31
分野: 臨床医学:外科  >  産婦人科学
ISBN: 4787813153
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商品紹介

わが国の少子高齢化による急激な人口構造の激変とともに,疾病構造の変化が顕著である.とくに女性では平均寿命が延長し,いわゆる狭義の更年期障害,高脂血症,骨粗鬆症などに対する予防,治療はわれわれ産婦人科医にとって重要な課題である.米国でジェンダーを意識した,gender specific medicine が提唱され,その一環としてWomen's Health Initiative(WHI)のプロジェクトが施行されてきた.本年8月,米国国立衛生研究所(NIH)で行ったWHIの大規模臨床試験の成績でエストロゲンとプロゲスチンの併用によるホルモン補充療法(HRT)において冠動脈疾患の一次予防を目的として開始すべきでなく,現在これのみを主たる目的で本HRTを行っている場合には継続すべきでないとの結論を報告した.日本産科婦人科学会,更年期医学会はこれを受け見解を発表したが,そのなかで更年期のヘルスケアは食事・運動・栄養などの生活習慣の適正化であり,それで十分効果のみられない場合には薬物療法を行う.またHRTの薬物療法は1つの選択肢であると述べている.更年期障害の治療というとすぐHRTを開始するのではなく,女性の精神,身体機能の評価を行い,必要に応じて各種の薬物療法が検討されるべきである.その薬物療法のひとつとして漢方の処方があげられる.中国やわが国で行われている療法はジェンダーを取り入れた思想の下に女性に特化した,当帰芍薬散,女神散,加味逍遙散などが開発され使用されてきている.(巻頭言より)

目次

  • 産婦人科 漢方研究あゆみ No.20

    ―目次―

    巻頭言 石川 睦男

    漢方入門 講座 座長 野澤 志朗
      第1回 寒熱をめぐって 寺澤 捷年
       はじめに
       陰陽論と西洋医学
       陰の病態と陽の病態
       coreとshellのtemperature
       陰陽と寒熱は上位と下位の関係
       陰陽における治療方法の違い
       おわりに

    シンポジウム―冷えと漢方― 座長 玉舎 輝彦
     基調講演
      医学的にみた冷えとは 武谷 雄二 
       はじめに
       I  冷えの疫学調査
       II  冷えの増強因子
       III 冷えと基礎代謝,月経周期との関係
       IV  冷えに対する運動の影響
       V  カロリー摂取と代謝率
       おわりに
     シンポジウム1
      女性の冷え症の血流量による評価
      ―末梢血流量からみた漢方方剤の有効性― 後山 尚久
       緒 言
       I  対象と方法
       II  成 績
        1.冷えの自覚の四肢末梢血流量による評価
        2.四肢末梢の冷えに対する温経湯の効果
        3.各種漢方薬の冷えに対する効果
        4.指尖加速度脈波係数による冷えの評価と漢方薬による変動
        5.冷え症に対する漢方薬の総合的臨床効果
       III 考 察
     シンポジウム2
      冷え症に対する当帰四逆加呉茱萸生姜湯の効果
      ―冷えスコアとサーモグラフィによる評価―
      太田 博孝 田中 俊誠 櫛引美代子
       緒 言
       I  研究方法
        1.冷え症診断のための質問票とスコアリング
        2.臨床的検討
        3.サーモグラフィによる急性効果の評価
       II  結 果
        1.冷えスコア
        2.臨床効果
        3.サーモグラフィによる急性効果
        4.末梢血中PGF2α,NO濃度に対する影響
       III 考 察

    論 文 座長 杉山  徹
      腎陰虚を本とした更年期障害の治験例 今泉  清
       緒 言
       I  症 例
       II 考 察
       総 括
      更年期のしびれに対する漢方治療経験 佐藤 泰昌 古田 典夫
       緒 言
       I  症 例
        1.症例1
        2.症例2
        3.症例3
       II 考 察
       結 語
      更年期障害における大黄牡丹皮湯の使用経験
      水原  浩 萩庭 一元 石塚 文平
       緒 言
       I  対 象
       II 結 果
       III 症 例
       IV 考 察
       結 語
      当科更年期外来における漢方療法
      西村 公宏 村林 奈緒 野田 和彦
      井田  守 山脇 孝晴 能勢 義正
       はじめに
       I  対象と方法
        1.更年期外来での治療薬
        2.対象
        3.方法
       II 結 果
        1.対象症例の背景
        2.漢方製剤の使用頻度
        3.簡易更年期指数(SMI)での検討
        4.更年期症状別の症状の重症度
       III 考 察
      更年期障害に対する桂枝茯苓丸および加味逍遙散の効果
      日高 隆雄 内  尚子 齋藤  滋
      喜多 敏明 柴原 直利 寺澤 捷年
       はじめに
       I  対象と方法
       II 結 果
        1.患者背景
        2.更年期障害に対する桂枝茯苓丸の効果
        3.更年期障害に対する加味逍遙散の効果
        4.桂枝茯苓丸有効群および無効群における症状別の
          治療前SMI値の群間比較
        5.加味逍遙散有効群および無効群における症状別の
          治療前SMI値の群間比較
       III 考 察
       結 論

      桂枝茯苓丸無効例の骨盤内うっ血症候群の病態と治療に関する
      東洋医学的一考察
      清水 正彦 原 敬二郎 杉山  徹
       はじめに
       I  対象と方法
       II 検討項目
       III 結 果
        1.自覚症状
        2.下腹部の手術歴
        3.内診所見
        4.東洋医学的診察所見
        5.桂枝茯苓丸無効時に使用した漢方製剤とその効果
        6.仰臥位閉脚位時の両脚の状態
        7.腹臥位時の腰臀部筋の状態
        8.症例提示
       IV 考 察
       総 括

     ほか

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