脳卒中後のリハビリテーション(以下リハビリ)は、我が国のリハビリの中では最も接する機会が多い身近な存在である。最近の傾向は、可能な限り発症から回復期に至る3ヵ月以内に、集中的にできれば1日3時間かけて神経リハビリを行うことが推奨され、効率的・効果的アウトカムをもたらす手法が求められている。しかし具体的には、どのような障害にどのようなリハビリをどの程度行うのが適切かは良く分っていない。また医療的リハビリだけで解決できないこの分野では、回復期以後の在宅や施設での生活リハビリに関わる福祉的リハビリサービスとの連携のあり方が常に問題になる。これらの課題に実践的に答えようと企画したのが本書である。