友人関係に無頓着であったり敏感すぎる大学生,教員との適切な距離を保つことが難しく,実習や卒業研究などに支障をきたしている大学生,就職活動など社会参入への準備に対応することが難しい大学生……。知的に問題がないにもかかわらず,このような社会的コミュニケーションに困難を持つ大学生(発達障害大学生)が最近増えているという。こういった背景のなか,富山大学が平成19年度文部科学省「新たな社会的ニーズに対応した学生支援プログラム(学生支援GP)」の選定を受け,独自のプログラムを開始した。コミュニケーションに困難を抱えるすべての学生に対して「ナラティブ・アプローチ」「ナレッジ・マネジメント」などの新しい視点,理論,方法論を取り入れ,対話と実践の中から生み出されつつある支援モデルを提案する。