本書は生命力の表現としての自然治癒力、ホメオスタシス、合目的性などの原理が、細胞や組織のレベルの現象に生き生きと現れ、それが器官や系統のレベルの現象に形を変えつつ発展していくことを示すようにした。そして、これらを外挿することによって固体としての人体の生命力が全体として浮彫りになる。初めて学ぶ生理学が面白い学問であるとの印象を少しでも持ってもらえるよう工夫し、無駄を省き習得すべき知識を整理し重点主義に徹している。改訂の方針として、原著者である真島先生の香りを消すことなく、新しきを加え、古きを削除する方針を貫いた。また、あれも、これもと新しく加えることによって大部となってしまうことがないよう、細心の注意を払った。気軽にカバンに入れて持ち運べる参考書として活用していただければ幸いである。