本書は、要素還元主義に基盤を置く医学モデルが得意とする臓器別という視点ではなく、人間の日常生活行動、具体的には「呼吸」「食事」「排泄」「清潔」「睡眠」「移動」という視点から、それらと直結する医学的知識を解説しています(「看護に奉仕する医学」と著者は位置づけています)。ここに、看護と医学の融合を目指すという本書の目的があり、また特徴があります。看護学の初学者はもとより、臨床(病院および在宅)のナースの学習を助け、人間を全体的存在として(as a whole)とらえ、「患者の命を守り、暮らしを支える」実践を提供していくためのテキストとして最適です。