本書では,超音波によってfirst trimesterの早い時期に染色体異常や奇形などを形態学的にスクリーニングし,さらに確定診断までをめざす技術(first trimester screening)を解説している。ダウン症をはじめとする染色体異常の胎児の超音波学的所見について系統的に理解し,診断のシステムを理解してもらうことと併せて,新しい出生前診断(NIPT)が正しく実施されることを目的としている。英国で臨床的に行われている技術を中心にfirst screeningのテクニックを示し,多くの写真を掲載しながら妊娠初期超音波を行ううえでの考え方をわかりやすく解説することを主としている。母体血液による新しい出生前診断(NIPT)が日本国内でも導入され始めており,それと関連した出生前診断についての考え方も解説している。