心理士がさまざまな職域で日々働いていくうえで,そこで生じた事象を自分なりに考え,見えなかった人間関係や人間のこころを可視化(アセスメント)し,見えるようになった問題を関係者と共有し取り扱っていくこと(マネジメント)が必要とされる。著者らは本書で一貫して精神分析理論を基盤にさまざまな事象を考え,多様な臨床現場でそれを応用していく方法を考える。事例編では,クリニック,学校,児童養護施設,精神科病院での実際の事例を基に4つの架空の事例検討会を再現し,理論を基盤としながら同時に自らのこころを使って考えるという実践感覚を生き生きと伝える。