本書では生物学および生化学を学ぶ学生にとって非常に有益な生物物理化学の核心となる部分(熱力学,速度論,量子力学,分光学,X線回折など)の要点を抽出して扱った.これらの概念を,バイオサイエンスを学ぶ学生にとって興味がわく系に応用したので,ほとんどすべての例題や章末の演習問題はバイオサイエンスから例をとっている.第5版では広範囲な改訂にともない,理論的内容を増補し,記述をIUPACの現行慣例へ合わせるなど,内容の更新を行った.電気化学については新しい章を設け,ほかに一分子研究手法,量子力学,磁気共鳴に関しての項目を増補した.