本書は、初学者にも医薬品安全性のリスクコミュニケーションについて俯瞰できるように十分に配慮されたガイドになっています。 コミュニケーションを主題とし、医学だけでなく認知科学・心理学の知見が多く紹介されています。 日本語のコミュニケーションでは、「行う」「する」のが一般的ですが、本書内では、「開発する」「つくる」などと表現されており、そのニュアンスの違いもコミュニケーションへの認識を新たにする一つの手がかりとなるかもしれません。 本書はコミュニケーションにおけるリスクとベネフィットの最適なバランスを検討し、よりよい共有意思決定(SDM)を追及します。また各章末には予算にあった評価方法も紹介しています。 読者の対象と考えられる読者層は幅広く、医薬品分野に限定されず、リスクコミュニケーション課題に取り組むあらゆる読者(ステークホルダーと適正な対話を希求する方々)に役立つ実践書となっています。