近年,精神科等を受診する児童思春期患者が急増しており,医療現場ではその対応に苦慮している。本書はそうした子どもと関わる必要に迫られている専門職に向け,児童思春期精神医学の基本と最新のトピックスについて,その道のスペシャリストが入門書として書き下ろしたものである。学生および研修医を含む若い精神科医や小児科医はもちろん,臨床心理士,看護師,作業療法士などの医療従事者を対象に,平易に書かれていること,またDSM-5の基準に従っている点も大きな特徴と言えよう。子どもの臨床は,病気の最中は大変だけれど,大人と比べて間違いなく良くなる。そんなエキサイティングな臨床を目の当たりにできる「児童精神医学へのススメ」の書でもある。