正義

出版社: ミネルヴァ書房
著者:
発行日: 2016-04-20
分野: 医療技術  >  介護/福祉
ISBN: 9784623075720
書籍・雑誌
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2,750 円(税込)

商品紹介

本書は、不正義の視点を通して、福祉国家の忘れものを問う。その福祉国家の忘れものから、法律、社会保障制度そして、個人などにまつわる現代正義論を俯瞰する。ロールズの「無知のヴェール」を乗り越え、センのいう社会的選択と不偏性による「ケイパビリティ・アプローチ」によって捕捉する試みである。

目次

  • 正義

    ―目次―

    総 論 福祉国家の忘れもの―契機と敬意
     1 協力の契機
     2 現代福祉国家とリベラリズム
     3 政治的リベラリズムの理論化と人々の規範意識
     4 ロールズ正義理論の再編と社会的協同システムの拡張
     5 公共的相互性
     6 新たな社会的協同に向けて
     7 各章の解説

    第1章 正義の不穏
     1 有限生身実体と正義
     2 正義のコード化
     3 ドミナント・ストーリー、そしてスモール・ストーリー
     4 結果の説明的再構成

    第2章 家族の法と個人の保護
     1 日本家族法の無力さ
     2 イエ制度と「家」制度
     3 家族とケア労働
     4 家族の多様化と家族の法的保護

    第3章 不利な立場の人々の人権
     1 希望としての「人権」
     2 不利な立場の人々にとっての人権・自由の諸相
     3 「自由」の制約と「保護」―精神障害者の治療強制をめぐって
     4 不利な立場の人々の視線から見えるもの

    第4章 住所・住民登録・居住
     1 住所及び住民登録の意義―法制度の概要
     2 住所・住民登録と社会的排除―社会システム理論からの考察
     3 日本の事例―公園内テント所在地は住所になるか
     4 米国の有権者登録に係る判例
     5 近年のホームレスの現状と排除の動向
     6 対 応―安定した居住環境の提供へ向けて

    第5章 自尊の理念
     1 社会秩序の目的
     2 自尊の理念とその現代的意義
     3 二つの構成的批判―「潜在能力」と「イマジナリーな領域」
     4 自尊・福祉・法

    第6章 差別・貧困と障害者の権利
     1 法律と憲法
     2 憲法と正義論の関係
     3 平等の捉え方
     4 障害者問題へのアプローチ
     5 障害児の教育を受ける権利
     6 貧困との関係

    第7章 人権としての生存と自立
     1 生存に対する権利としての基本的人権
     2 市民法と自立
     3 社会法と自立
     4 自立概念の展開
     5 福祉の評価とその視点―アマルティア・センの議論

    第8章 社会保険制度の効率と公平
     1 リスク分散の装置としての社会保険
     2 社会保険はなぜ「社会」保険なのか
     3 社会保険と税とはどこが違うのか
     4 問い直すべき社会保険の役割

    第9章 借りて生きる福祉の構想
     1 貸付と福祉
     2 給付vs貸付
     3 フローの生活保障とストックの生活保障
     4 資本と負債
     5 負債が福祉につながるために

    第10章 フリーライディングする福祉制度?
     1 変わりゆく福祉の境界とメンバーシップ
     2 越境者(移民)への政策作用
     3 イタリアにおける移民介護労働と制度施行の実態
     4 フリーライディングされる移民介護労働者?
     5 福祉的正義と自由―日本とイタリアの対照性

    第11章 死刑制度と正義
     1 死刑の担い手問題
     2 死刑廃止論の立場
     3 死刑と正義
     4 死刑存廃論と死刑肯定/否定論

    第12章 運の平等と個人の責任
     1 運の平等論のバックグラウンド
     2 運の平等論の端緒―ロールズとドゥオーキン
     3 運の平等論の本格的展開
     4 運の平等論批判
     5 運の平等論からの反論

    第13章 いかにして未来の他者と連帯するのか?
     1 未来の他者―互酬性の限界?
     2 古代ローマ/現代日本の風呂
     3 余剰的同一性
     4 黙示録の合理的活用

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