脳卒中患者の地域リハビリテーションでは,回復期で獲得した心身機能の「維持」が目的となることが多い。しかし,機能の維持だけでよいのだろうか。患者はよりよい生活を求めていないだろうか。そのようななか,リハビリテーションの技術が進歩し,エビデンスが蓄積されてきている。本書では,機能を維持するだけでなく,生活の質(QOL)を向上するために心身機能をどのように評価し,アプローチしていくか,臨床研究で得られたデータを示し,具体的な方法を解説している。地域リハビリテーションの現場で少ない人数で対応している医療者の方々のための実践書である。