生理学からみた鍼灸効果研究の現在
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目次
- 生理学からみた鍼灸効果研究の現在
―目次―
第一部 鍼灸技術の誕生と西洋医学の発展
第一章 古代中国医学はギリシャ医学より遥かに優れていた
一 人体の仕組みを洞察した「陰陽五行説」
二 吐瀉物から考えられた浅薄なヒポクラテスの「体液説」
三 疾病を個人のレベルで把握する中国医学
四 鍼灸治療と経絡説の起源
第二章 東洋医学と西洋医学の歩み
一 中国における鍼灸術の進歩と普及
二 英国のニーダムによる鍼灸療法の考察
三 鍼灸技術の我が国への伝来と独自の発展
四 清朝による鍼灸の追放と中華人民共和国による復活
五 欧州における医学・衛生学の長い停滞
六 欧州医学発展のきっかけ――ルネッサンス
第三章 西洋医学の爆発的発展と感染症の征服
一 自然科学としての医学の確立
二 感染症病原菌の発見とワクチン療法の開発
三 病原菌の純粋培養に成功
四 抗生物質の発見
第二部 ストレス学説と鍼灸
第四章 西洋医学と東洋医学を結びつけたストレス学説
一 セリエによるストレス学説の提唱
二 我々の生命を維持する自律神経系
三 身体の組織・器官活動を制御する交感神経と副交感神経
四 ストレスにたいする非特異的反応
五 ホルモンによる内分泌系のストレス反応
六 大自然の人類にたいする報復――精神的ストレス
第五章 精神的ストレスによる自律神経系の失調
一 大脳皮質と自律神経系を結ぶ未知の神経経路
二 新たな神経回路形成の実験的証拠――条件反射
三 新たな神経回路を形成するシナプスの可塑性
四 人類の健康にたいする大敵――精神的ストレス
五 自律神経の失調による疾患とプラセボ効果の謎
第六章 鍼灸の鎮痛効果の生理学的基礎
一 痛覚を感知するポリモーダル受容器
二 抑制性シナプスによる鎮痛効果
三 脳内モルヒネ様物質と下行性痛覚抑制ニューロン回路
四 下行性抑制回路を作動させる皮膚刺激
第三部 鍼灸技術の実際と今後の課題
第七章 鍼灸の経絡路の実体と鎮痛効果のメカニズム
一 鍼灸の手技
二 鍼灸効果を発現する反射回路
三 ツボの実体とは何か
四 大自然の摂理に基づく鍼灸の鎮痛効果のメカニズム
五 鍼灸の鎮痛効果における個人差の原因を考える
六 我が国における鍼灸の不条理な冷遇
第八章 鍼灸の身体の仕組みに及ぼす効果
一 胃腸の活動にたいする鍼刺激の効果
二 心拍数と血圧にたいする鍼刺激の効果
三 臓器の血流にたいする鍼刺激の効果
四 鍼刺激の自律神経系・内分泌系にたいする効果
五 鍼刺激の脳のニューロン活動にたいする効果
第九章 鍼灸治療効果の臨床的評価の問題点
一 鍼灸効果の臨床的研究――動物実験との差異
二 ランダム化比較試験の鍼灸効果への適用は妥当か
三 鍼灸効果報告評価の国際的順位
四 被験者の主観的表現を用いた鍼治療効果の判定
五 プラセボ効果の脳内メカニズム
第十章 健康寿命増進の鍵を握る鍼灸技術の発展
一 人類の大敵、精神的ストレス――克服の鍵を握る鍼灸技術
二 鍼を介するツボ電気刺激法の問題点と筆者からの提言
三 ツボの温熱刺激と音波刺激
四 プラセボ効果の研究の必要性
五 我が国の鍼灸をいかに発展させるか