生理学からみた鍼灸効果研究の現在

出版社: 日中出版
著者:
発行日: 2017-04-20
分野: 臨床医学:一般  >  東洋医学
ISBN: 9784817512437
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商品紹介

本書は、学問的に大きな広がりを持つ鍼灸効果の謎と、これにたいする科学者の挑戦の現状を分かりやすく解説するために書かれたものである。そのため、まず鍼灸技術を誕生させた古代中国医学から西洋医学の発展を概観し(第1部)、東洋医学と西洋医学を結びつけるストレス学説を紹介するとともに、ニューロン、インパルスの伝導、興奮性および抑制性シナプス、反射回路など、生理学の基礎知識について説明(第2部)。最後に、鍼灸効果における最新の研究成果を踏まえて今後の課題を提起し、プラセボ効果の実態にまで迫ろうとする(第3部)、鍼灸関係者必読の書である。

目次

  • 生理学からみた鍼灸効果研究の現在

    ―目次―

    第一部 鍼灸技術の誕生と西洋医学の発展
     第一章 古代中国医学はギリシャ医学より遥かに優れていた
      一 人体の仕組みを洞察した「陰陽五行説」
      二 吐瀉物から考えられた浅薄なヒポクラテスの「体液説」
      三 疾病を個人のレベルで把握する中国医学
      四 鍼灸治療と経絡説の起源
     第二章 東洋医学と西洋医学の歩み
      一 中国における鍼灸術の進歩と普及
      二 英国のニーダムによる鍼灸療法の考察
      三 鍼灸技術の我が国への伝来と独自の発展
      四 清朝による鍼灸の追放と中華人民共和国による復活
      五 欧州における医学・衛生学の長い停滞
      六 欧州医学発展のきっかけ――ルネッサンス
     第三章 西洋医学の爆発的発展と感染症の征服
      一 自然科学としての医学の確立
      二 感染症病原菌の発見とワクチン療法の開発
      三 病原菌の純粋培養に成功
      四 抗生物質の発見
      
    第二部 ストレス学説と鍼灸
     第四章 西洋医学と東洋医学を結びつけたストレス学説
      一 セリエによるストレス学説の提唱
      二 我々の生命を維持する自律神経系
      三 身体の組織・器官活動を制御する交感神経と副交感神経
      四 ストレスにたいする非特異的反応
      五 ホルモンによる内分泌系のストレス反応
      六 大自然の人類にたいする報復――精神的ストレス
     第五章 精神的ストレスによる自律神経系の失調
      一 大脳皮質と自律神経系を結ぶ未知の神経経路
      二 新たな神経回路形成の実験的証拠――条件反射
      三 新たな神経回路を形成するシナプスの可塑性
      四 人類の健康にたいする大敵――精神的ストレス
      五 自律神経の失調による疾患とプラセボ効果の謎
     第六章 鍼灸の鎮痛効果の生理学的基礎
      一 痛覚を感知するポリモーダル受容器
      二 抑制性シナプスによる鎮痛効果
      三 脳内モルヒネ様物質と下行性痛覚抑制ニューロン回路
      四 下行性抑制回路を作動させる皮膚刺激

    第三部 鍼灸技術の実際と今後の課題
     第七章 鍼灸の経絡路の実体と鎮痛効果のメカニズム
      一 鍼灸の手技
      二 鍼灸効果を発現する反射回路
      三 ツボの実体とは何か
      四 大自然の摂理に基づく鍼灸の鎮痛効果のメカニズム
      五 鍼灸の鎮痛効果における個人差の原因を考える
      六 我が国における鍼灸の不条理な冷遇
     第八章 鍼灸の身体の仕組みに及ぼす効果
      一 胃腸の活動にたいする鍼刺激の効果
      二 心拍数と血圧にたいする鍼刺激の効果
      三 臓器の血流にたいする鍼刺激の効果
      四 鍼刺激の自律神経系・内分泌系にたいする効果
      五 鍼刺激の脳のニューロン活動にたいする効果
     第九章 鍼灸治療効果の臨床的評価の問題点
      一 鍼灸効果の臨床的研究――動物実験との差異
      二 ランダム化比較試験の鍼灸効果への適用は妥当か
      三 鍼灸効果報告評価の国際的順位
      四 被験者の主観的表現を用いた鍼治療効果の判定
      五 プラセボ効果の脳内メカニズム
     第十章 健康寿命増進の鍵を握る鍼灸技術の発展
      一 人類の大敵、精神的ストレス――克服の鍵を握る鍼灸技術
      二 鍼を介するツボ電気刺激法の問題点と筆者からの提言
      三 ツボの温熱刺激と音波刺激
      四 プラセボ効果の研究の必要性
      五 我が国の鍼灸をいかに発展させるか

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