プラナリアたちの巧みな生殖戦略

出版社: 裳華房
著者:
発行日: 2017-11-10
分野: 基礎・関連科学  >  生物/分子生物
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商品紹介

体を細かく切っても,それぞれが一人前に再生する現象がよく知られるプラナリア(ウズムシ).扁形動物門渦虫綱に属するプラナリアたち(ヒラムシやマクロストマムなどを含む)は,無性生殖と有性生殖とを転換したり,特異な交尾行動をするなど,ちょっと変わった生殖戦略をもっています.本書は,このプラナリアたちの生き残りのための,巧みで不思議な生殖戦略をわかりやすく紹介します.

目次

  • 1.プラナリアとはどんな動物?
     1.1 本書で紹介する動物について -分類学的側面から理解する-
     1.2 ウズムシ類(三岐腸目)
     1.3 ヒラムシ類(多岐腸目)
     1.4 マクロストマム類(多食目)
     1.5 プラナリアの多能性幹細胞(ネオブラスト)

    2.さまざまな動物からわかってきた「生殖」に関する共通の考え方
     2.1 配偶子(卵子や精子)をつくるための特殊な細胞分裂:減数分裂
     2.2 生殖細胞は世代を越えて受け継がれている:生命の連続性
     2.3 哺乳類の生殖方法:有性生殖に限定されていて無性生殖は行わない
     2.4 雌雄異体と雌雄同体での性淘汰について
     2.5 雌雄異体と雌雄同体の性配分について
     2.6 この章のまとめ

    3.ウズムシの有性生殖と無性生殖
     3.1 ウズムシの生殖器官について
     3.2 ウズムシの交尾行動と産卵
     3.3 ウズムシの生殖細胞の決定について
     3.4 横分裂/再生による栄養生殖型の無性生殖
     3.5 栄養生殖型の無性生殖と倍数性
     3.6 精子依存性単為生殖型の無性生殖で「不定期に生じる性」

    4.ウズムシの栄養生殖型無性生殖と有性生殖との間の転換現象
     4.1 季節によって二つの生殖様式を転換するウズムシ
     4.2 実験的有性化の歴史
     4.3 リュウキュウナミウズムシOH株の有性化系
     4.4 有性化における特異点:有性化回避不能点について
     4.5 有性化における特異点:無性生殖の停止点について
     4.6 三倍体である有性化個体の生殖方法は単為生殖型か?
     4.7 リュウキュウナミウズムシ有性個体は生殖戦略的に2タイプに分けられる
     4.8 プラナリアのテロメアの話

    5.ヒラムシ、マクロストマムの生殖行動
     5.1 武器はアレです -ヒラムシのペニスフェンシング-
     5.2 卵子にする?それとも精子? -マクロストマム・リニアーノの性配分-
     5.3 それ何の意味があるの? -マクロストマム・リニアーノの奇妙な生殖行動-
     5.4 ペニスに頭突き!? -マクロストマム・ヒストリクスの自家受精-
     5.5 マクロストマム近縁種からわかる生殖行動と精子のかたちの進化

    6.プラナリアの生き残り作戦から考える
     6.1 ウズムシ以外の栄養生殖型無性生殖と有性生殖の転換現象
     6.2 単為生殖から有性生殖への切り替え現象
     6.3 単為生殖しかしない動物がいる!? -進化学的スキャンダル-
     6.4 哺乳類が単為生殖を行わないわけ
     6.5 三倍体カエルの性
     6.6 性淘汰の観点から見るよそさまの事情
     6.7 おわりに -プラナリアに関心のある若い方へ-

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