短期療法は専門家中心的解釈を優先しない,クライエント・ファーストの心理療法です。
本書で著者らは,悪循環を切る「MRIアプローチ」と良循環を拡張する「ソリューション・フォーカスド・アプローチ」の短期療法の二つの,いいところを統合した「表裏のアプローチ」を提唱しています。自殺企図,パニック障害,気分変調性障害,摂食障害,脱毛に悩む青年や不登校,家庭内暴力など,豊富な事例を挙げ,「ミラクル・クエスチョン」や「言葉の使い方」「ユーモア」「リフレーミング」「逆説介入」「課題の提示法」など,セラピーに用いられるさまざまなコミュニケーション・テクニックを紹介し,短期療法をわかりやすく解説します。新版では,近年の展開である,悲嘆やPTSD様反応に対する短期療法に基づく,ステップ1(ノーマライズ),ステップ2(do more & コンプリメント),ステップ3(リフレーミング & パラドックス介入)のスリー・ステップス・モデルを紹介します。