自分より先に、親はどんどん年老いていく。誰も避けられないこの現実を描く、ノンフィクション・コミックエッセイ。地元を離れて暮らしていた著者のもとに、父親がくも膜下出血で倒れたという突然の報せが届く。激しく動揺するが、手術は成功しその後無事退院。しかし徐々に父親の様子がおかしくなっていく。かつての父親像からの変貌に、家族は動揺を隠せない。認知症、介護と問題が山積していくなか、あるきっかけにより、改めて両親への感謝の気持ちが芽生える。できることが増えていくのを見守るのが子育てなら、できないことが増えていくのを見守るのが介護なんだ。介護は育ててくれたことへの恩返しなんだ、と。涙と戸惑いの日々を越えて、確実な希望に向かうまでの小さな記録。