目次
- 第1章 慢性疼痛の診療における精神科への期待と連携
A.総合内科の立場から
1 痛みに対する診断アプローチ~内科医はどうやって痛みを診断するか~
2 慢性疼痛を理由に総合内科・リウマチ内科を受診するケース
3 慢性疼痛診療において,内科医が精神科医に期待すること
4 臨床医としての反省
B. ペインクリニックの立場から
1 慢性疼痛とは
2 慢性疼痛とペインクリニック
3 ペインクリニックと他科,多職種との連携
第2章 精神科における痛みの見立て
A.疼痛の基礎知識
1 精神科医と痛みの関係
2 痛みのbiology(痛みの解剖学・生理学)
3 臨床編
4 ICD-11による慢性疼痛の診断基準について
5 痛み強度の評価
6 痛みの性質の評価
7 痛みの精神医学
B.身体症状症による疼痛の病態
1 精神科・心療内科で出会う慢性疼痛
2 慢性疼痛や身体症状症の疫学
3 身体症状症の危険要因と予後要因
4 身体症状症による経済的損失
5 身体症状症の歴史
6 身体症状症の診断基準
7 診断基準上の心理的要素の扱い
8 身体症状症と不安症,うつ病
9 身体症状症とうつ病との鑑別
10 精神科からみた痛みの多様性
11 慢性疼痛(特に心理・社会的疼痛)の病態と身体症状症
12 痛みが維持されてしまうメカニズム
13 身体科医が精神科に紹介するときの対応
14 精神科治療への導入における精神科医の役割の重要性
15 精神科における精神療法の原則
16 精神科医と他診療科の協働的治療
第3章 慢性疼痛の精神科での治療の実際
A.薬物療法
1 薬物療法を行ううえでの慢性疼痛の分類
2 神経障害性疼痛および中枢性感作による慢性疼痛への薬物療法
3 うつ病による疼痛への薬物療法
4 身体症状症への薬物療法
5 身体症状症による疼痛への薬物療法
6 薬物療法のエビデンスからFMの病態を考える
7 慢性疼痛の薬物療法の今後に向けて
B.慢性疼痛のCBT(認知行動療法)
1 認知行動療法(CBT)の概要
2 慢性疼痛のCBTの12セッション・パッケージの例
3 慢性疼痛のCBTの改良を目指して
C.慢性疼痛のACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)
1 慢性疼痛診療の難しさ
2 医学の世界観:要素還元主義
3 ACTの世界観:機能的文脈主義
4 ACTの適用
5 ACTのトリートメント・プロセス:体験型セラピー
6 ACTのトリートメント・プロセス:創造的絶望と6つのコア・プロセス
7 慢性疼痛ACTのエビデンス
8 慢性疼痛に対するグループACT“のびやかプログラム”
9 慢性疼痛に対する個人ACT
10 おわりに
第4章 身体症状症の脳科学の発展
身体症状症のニューロイメージング
1 身体症状症による疼痛に関する脳画像研究
2 身体症状症の神経科学的メカニズムについて
3 脳画像で痛みの評価・治療は可能か?