目次
- 第1章
エンド・オブ・ライフ ケアにおける
臨床倫理の役割とその歴史的発展の軌跡
●患者の「自律の権利」確立の動き
●終末期医療をめぐる事件と司法判断の歴史
●用語の整理―法と臨床倫理の視点から―
第2章
ACPと倫理コンサルテーションの基礎と実践
エンド・オブ・ライフ ケアの倫理的問題に対処するアプローチ
●ACP(アドバンス・ケア・プランニング)の役割
―終末期における困難な倫理的問題をより良い解決に導くACP―
●倫理的に適切な意思決定プロセスとは
●コミュニケーションツールとしての事前指示とACP
―関係者間でコミュニケーション(繰り返す話し合い)
重視した事前指示作成は,ACPを実践したことになる―
●DNAR指示(POLST)
―コミュニケーションを重視したDNAR指示(POLST)は,
医療分野における最も重要なACPの一つとなり得る―
●介護施設における「看取りの意思確認」
―コミュニケーションを重視した「看取りの意思確認」は,
介護分野における最も重要なACPの一つとなり得る―
●倫理コンサルテーション
―倫理的ジレンマの解決に向けて―
第3章
各科領域の実践事例から学ぶ論点整理と解決策
【循環器疾患のエンド・オブ・ライフ ケア】
●予後予測が困難な心不全患者の治療の限界の見極め
大動脈弁狭窄症による心不全・入退院を繰り返した86歳女性のケース
【悪性腫瘍のエンド・オブ・ライフ ケア】
●化学療法をいつまでやるのか
家族がさらなる化学療法を望んだ進行性肺がんの62歳男性のケース
●持続的な深い鎮静をめぐる倫理的な課題
疼痛・腹部膨満感・嘔気が強く,鎮静を望んだ進行性大腸がんの54歳女性のケース
【腎疾患のエンド・オブ・ライフ ケア】
●人工透析中止・差し控えの判断
人工透析中止を望んだ54歳男性のケース
【認知症(在宅→施設)】
●認知症の人への意思決定支援 ―日常生活から終末期の人工栄養まで―
76歳で中等度認知症と診断され,84歳で嚥下障害となった女性のケース
【在宅のエンド・オブ・ライフ ケア】
●進行性胃がん32歳女性の在宅看取り
病院での化学療法を拒否し,在宅緩和ケアを選択した32歳女性のケース