序章 看護師が経済学を学ぶということ―いままさに必要な「看護サービスの経済学」
A 経済学とは
B 経済学の視点,経営学の視点
C 看護と経済学が目指すこと:よりよい生活のための「看護サービスの経済学」
第I章 経済学からみた看護サービス
A サービスの特性と看護サービスの捉え方
B 自由な市場取引を妨げる医療サービスの特殊性
C 政府はなぜ医療サービスの取引に関与するのか
D 看護サービスの特殊性とは
まとめ:看護サービスの取引にも必要な政策対応
第II章 社会経済環境の変化と看護・医療サービス
A 看護・医療サービスの消費を支える財政基盤
B 看護・医療サービスの消費はどのくらいの規模か
C 看護・医療サービスの生産はどのくらいの規模か
D 看護サービスの生産と消費について
まとめ:看護サービスの必要性を伝える意義
第III章 看護の生産性と看護師の生産性
A 2つの生産性の存在
B 看護師の生産性:判断する指標は何か
C 看護サービスの生産性:判断する指標は何か
D 2つの生産性改善を目指さねばならない看護管理者
まとめ:生産性のマネジメントを難しくする看護の診療報酬
第IV章 診療報酬制度のしくみがもたらす影響I
看護師の技能評価を妨げるメカニズム
A 診療報酬制度はどのようなしくみになっているのか
B 看護サービスの生産にかかわる診療報酬のしくみ
C 看護師の技能を問わない診療報酬と利益を高める経営とは:
生産性マネジメントの難しさ
D 技能の高い看護師ほど賃金で評価されにくい
E 診療報酬の加算は技能の高い看護師の評価につながるか
まとめ:乖離する労働生産性と技能評価
第V章 診療報酬制度のしくみがもたらす影響II
看護師が他職種業務を担うメカニズム
A なぜ看護師は他職種の業務を引き受けるのか
B 多くの他職種業務に看護師が携わっている実態
C 看護師が薬剤関連業務を主に担うのはなぜか
D 加算の取得状況からみた業務分担の違い
まとめ
第VI章 看護師の労働供給 無視できない結婚と出産・育児
A 労働供給とは
B 看護師の大半を占める女性の労働供給行動
C 看護師はどのような労働供給行動をとるのか
まとめ
第VII章 看護師の労働需要と市場構造 生産性に見合わない賃金と労働力不足
A 労働需要とは
B 雇用主による独占的な労働市場の形成
C 看護師にみられるさまざまな労働力不足
D 労働力不足の解消に向けた政策の展開とその影響
まとめ
第VIII章 賃金・労働条件の格差と人的資本論
A 看護師間でどのように格差が生じているか
B 賃金格差を説明する人的資本論
C 人的資本論から看護師の賃金格差は説明できるか
まとめ:看護師の特殊的技能への賃金評価と費用負担
第IX章 看護師間の賃金格差を生み出すメカニズム
A 賃金格差を生む労働市場の二重構造
B 看護師の労働市場も二重構造が成立しているのか
C 賃金格差を生む職務価値の差異
まとめ
第X章 看護師のワーク・ライフ・バランスと生産性
A 看護師の就業状況
B 一般企業と比較した看護師の労働環境
C 看護師のワーク・ライフ・バランス施策の実施状況
D ワーク・ライフ・バランス施策と看護師の労働生産性
まとめ:看護サービスの生産性を高める視点との両立
第XI章 よりよい看護を消費者のもとへ届けるために
看護師の技能評価との両立に向けて
A 生産性の狭間に立つ管理者,立たずに済む管理者
B 介護保険制度のもとでの看護サービス:両立する生産性の向上
C キーパーソンとしてのケアマネジャー:役割の発揮を難しくする現状
D みんなのよりよい生活のために:情報発信の必要性