目次
- 第1章 神経心理学の基礎
1 脳構造と認知機能との関係─大まかな原則
2 神経心理症状分析のための基本的な考え方
3 高次脳機能の局在をめぐって
まとめと本書の構成
第2章 失語
1 脳機能分化の観点から:言語野について
2 失語症の定義:原因疾患があっての失語症
3 歴史的観点から:温故知新
4 失語症を構成する様々な症状:失語症は言語症状の寄せ集まり
5 多言語話者の失語症
6 てんかん性失語
7 神経変性疾患による失語症
8 失語症タイプ:共通言語としての失語症タイプ
9 言語聴覚療法から考える失語症:言語症状への対応
初学者への勧め
第3章 失行
1 動作・行為を支える神経系
2 運動系と感覚系
3 大脳連合系
4 頭頂連合野と動作障害
5 習熟動作と模倣
6 手指の巧緻運動
7 習熟動作の解放現象
8 大脳連合系の障害による高次運動障害
第4章 失認
1 失認の歴史
2 失認のないことを確認するには…
3 視覚・聴覚の認知過程の大原則:背側経路と腹側経路
4 側頭極のはたらき
5 失認の定義
6 失認の脳内メカニズム
7 失認の評価の基本
8 なぜ「失認は難しい」のか
9 失認の分類
10 視覚失認(visual agnosia)
11 聴覚失認(auditory agnosia)
12 触覚失認(tactile agnosia)
その他の認知障害
第5章 記憶障害
1 記憶の分類と図式:脳損傷患者の記憶障害を理解するために
2 記憶障害の患者と家族の診察,面接:行動観察と情報収集
3 神経心理学的検査による近時記憶障害の評価
第6章 右半球症状
1 空間性注意障害とその関連症状
2 病巣対側上下肢に対する注意と認識の障害
3 視覚性失認とその関連症状
4 動作の制御の障害
5 感情障害
第7章 数の障害
1 数処理や計算のモジュール性について
2 数の概念について
3 数処理の障害
4 計算障害の分類
5 失算をきたす病巣─特に右半球の関与について
6 失算をきたす疾患
7 数に関する定型的検査
8 数に関わるその他の重要な臨床的事項
第8章 認知症
1 鑑別診断について
2 皮質型認知症と皮質下型認知症
3 主要な原発性認知症疾患
4 認知症患者を診察する際のポイント
5 診察の組み立て
6 家族などの情報提供者への問診
7 認知機能検査(神経心理学的検査)
8 症例呈示─診察・検査結果の解釈のポイント─
第9章 脳解剖の読影法
1 大脳皮質の読影に適した画像
2 脳表解剖と読影法
3 白質解剖
4 症例呈示
第10章 補遺
はじめに:用語の問題─特に「作業記憶」について
1 短期記憶と長期記憶の二重解離
2 作業記憶の概念について
3 神経心理学における二重解離や選択的障害の重要性
おわりに