こういうことだったのか!!  ハイフローセラピー

出版社: 中外医学社
著者:
発行日: 2022-08-15
分野: 臨床医学:一般  >  集中治療
ISBN: 9784498130562
電子書籍版: 2022-08-15 (1版1刷)
書籍・雑誌
≪全国送料無料でお届け≫
取寄せ目安:4~8営業日

2,640 円(税込)

電子書籍
章別単位で購入
ブラウザ、アプリ閲覧

2,640 円(税込)

商品紹介

2011年の使用開始から,各雑誌でも特集を組まれるほど大躍進したハイフローセラピー.一方で,その根幹を理解し本当に使いこなせている人は多くはないだろう.ハイフローセラピーを使いこなすには他の呼吸療法との違いと関係性を理解することが重要だ.そのため,本書ではハイフローセラピー以外の呼吸療法についても改めて整理した.全体の中での立ち位置を知ることで,確実な力の引き出し方や限界を学べる書となっている.

目次

  • CHAPTER 01 ハイフローセラピーとは

    ●ハイフローセラピーの歴史と呼称
    ●ハイフローセラピーという発想
    ●解剖学的死腔とは
    ●ハイフローセラピーの効果
    (1) 吸気仕事量の軽減
    (2)解剖学的死腔(鼻腔)の洗い流し
    (3)軽いPEEP?
    (4)分泌物クリアランスの改善???
    ●ハイフローセラピーの流量設定
    ●有効な解剖学的死腔(鼻腔)の洗い流しを目指して
    ●ハイフローセラピーによる二酸化炭素除去を目指して
    ●プロングの選択

    CHAPTER 02 従来の酸素療法とスーパー酸素療法ハイフローセラピーの違いを知る

    ●酸素療法のお約束30L/分
    ●酸素流量10~15L/分で吸入酸素濃度を高くするための工夫
    ●かつてのリザーバー付マスクは絵にかいた餅だった
    ●新型リザーバー付マスクはスゴイけれど運用に注意が必要
      低流量システム
      高流量システム
    ●お約束30L/分を超えることの意味
    ●なぜ低流量システムと高流量システムに区別されたのか?
    ●ネブライザー付酸素吸入装置は高流量中等度濃度酸素吸入装置
    ●かなり色あせた30L/分
    ●高流量システムにハイフローセラピーが新加入
    ●ネブライザー付酸素吸入装置にプロングを使用することは難しい
    ●目標酸素濃度による酸素投与デバイスの選択
    ●ハイフローセラピーをハブとして呼吸療法を理解し運用する

    CHAPTER 03 ハイフローセラピーの管理

    ●ハイフローセラピーの流量設定
    ●ハイフローセラピーの加温加湿
    ●ハイフローセラピーはガチ高濃度吸入酸素投与が可能
    ●ハイフローセラピーの効果は比較的早く出る
    ●II型呼吸障害に対してもハイフローセラピーの有効性が報告される
    ●ハイフローセラピーとMDRPU
    ●ハイフローセラピーの怖さ 
      効果がないと思ったら見切りをつけることも大切
    ●ハイフローセラピーに見切りをつけるためのROX index
      ROX index 計算のためのスマホ無料アプリ
    ●ハイフローセラピーからの離脱

    CHAPTER 04 機械式ブレンダーのすごさと限界を知る

      減圧とは
    ●機械式ブレンダー
    ●酸素供給圧 or 空気供給圧低下を警告するための仕組み
      ブリードガス(bleed gas)
    ●機械式ブレンダーを使用しないときは壁配管アウトレットから外す
    ●ブリードオフ機構付機械式ブレンダー
    ●機械式ブレンダーの限界

    CHAPTER 05 乱立するハイフローセラピー機器の違いを知り活用を考える

    ●ハイスペック人工呼吸器・ハイフローセラピーモード
    ●一般的な人工呼吸器・ハイフローセラピーモード
      圧をリリースする安全バルブ
    ●空気・酸素配管を必要とする一体型ハイフローセラピー専用機
    ●プレシジョンフローは松?
    ●プレシジョンフローの問題点
    ●酸素配管のみで作動する一体型ハイフローセラピー専用機
      AIRVOTM2
    ●最もコスト安かつ酸素配管のみで作動するベンチュリ式ハイフローセラピー機器
    ●近年発売されたハイフローセラピー機能搭載NPPV用人工呼吸器
    ●裏技だけどNPPV用人工呼吸器をハイフローセラピーに活用
    ●院内移動やリハビリをどうする?
    ●病院間搬送におけるハイフローセラピー
    【コラム】回復期・慢性期・在宅医療において注目の多機能人工呼吸器

    CHAPTER 06 Apneic oxygenationと流量計ふりきり法

    ●Apneic oxygenation
      Preoxygenationの復習
      Ramp position(ramped position, ramping position)
      Apneic oxygenationの機序
      手術室と手術室外のapneic oxygenation設定
      Apneic oxygenationの3条件
      Apneic oxygenationの流量
      全挿管症例にapneic oxygenationをするか,挿管困難が予想される症例にapneic oxygenationをするか?
      うまく用手換気できないシーンは多い
      BVMの問題点
      ハイフローセラピーでなくても気軽に高流量酸素投与はできる
    ●流量計ふりきり法
      ローコストapneic oxygenationでよいのでは?

    CHAPTER 07 NPPVとCOPDを復習しNPPVがCOPDを得意とする理由とARDSを苦手? とする理由を知る

    ●汎用人工呼吸器を用いたNPPV(ダブルブランチ)
    ●NPPV用人工呼吸器(シングルブランチ)
      呼気ポート付マスクと呼気ポートなしマスク
      NPPV用人工呼吸器が汎用人工呼吸器NPPVモードより優れるとされた理由
    ●NPPVの適応疾患
    ●COPD 患者はなぜ息をうまく吐けないか? をシンプルに理解しよう
    ●Auto PEEP(内因性PEEP)
    ●Counter PEEPの重要性
      必要なcounter PEEP量
    ●COPD増悪
    ●敗血症性ARDSへのNPPVの意義
    ●COPDとARDSの人工呼吸管理の違いを考える
      低容量換気
      High PEEP
      重症COPDの1回換気量設定
      重症COPDのPEEP設定
    ●ARDSと重症COPDでは肺保護換気の実践方法は異なる

    CHAPTER 08 ハイフローセラピー vs NPPV

    ●ハイフローセラピー vs NPPV
    (1)酸素濃度・吸気流速(流量)
    (2)酸素化能
    (3)換気能力(PaCO2低下能力)
    (4)呼吸仕事量の軽減
    (5)PEEP
    (6)忍容性・せん妄の発生・鎮静
    (7)医療者の手間・熟練度
    ●筆者が考えるNPPVとハイフローセラピーの使い分け
    ●今後NPPV用人工呼吸器の運用をどうするか?

    CHAPTER 09 重症患者管理において血液ガスpHと乳酸値と呼吸数を最重視する理由を知る

      強酸と弱酸
      pHの定義(提唱者によるもの)
      HCO3−(重炭酸イオン)
    ●我々の体はどのように酸を処理する?
    ●HCO3−の振る舞いをイメージしよう
    ●PaCO2の振る舞いをイメージしよう
    ●アシデミア(酸血症),アルカレミア(アルカリ血症)
    ●代償
      敗血症
    ●血液ガスの各項目を正常化すればよいのか?
      Post-hypercapnic alkalosis(高炭酸ガス血症後アルカローシス)
    ●実録 どたばた症例から学ぶショック患者のpHマネージメント
      来院時 16:41
      ICU入室 18:45
      ビタミンB1投与 20:13
      再び急降下pH 6台突入 なぜ? 22:22
      人工呼吸器を過換気設定することによりpHは一気に改善 23:07
    ●重症患者を挿管・人工呼吸開始した後,高血圧⇒血圧低下・ショック状態となる理由
    ●なぜ重症患者管理において呼吸数が重視されるのか?
    ●イギリス発National Early Warning Sign
    ●酸素の家計簿診断
      酸素需給バランスの悪化
    ●乳酸の意義
      PaO2と乳酸値のどちらを重視?
      低酸素症以外の乳酸上昇

この書籍の参考文献

参考文献のリンクは、リンク先の都合等により正しく表示されない場合がありますので、あらかじめご了承下さい。

本参考文献は電子書籍掲載内容を元にしております。

CHAPTER 01 ハイフローセラピーとは

P.13 掲載の参考文献

CHAPTER 02 従来の酸素療法とスーパー酸素療法ハイフローセラピーの違いを知る

P.28 掲載の参考文献
1) 小尾口邦彦. こういうことだったのか!! 酸素療法. 中外医学社 ; 2017.
2) 尾崎考平. 血液ガス・酸塩基平衡教室-呼吸尾崎塾 おもしろいほどスラスラわかって臨床につかえる!. メディカ出版 ; 2009.
3) 福山達也, 宮尾秀樹. 加湿. In : 沼田克雄, 監修, 大村昭人, 安本和正, 編集. 入門・呼吸療法 改訂第2版. 克誠堂出版 ; 2003. p.76-85.

CHAPTER 03 ハイフローセラピーの管理

P.42 掲載の参考文献
8) 今戸美奈子, 北 英夫, 鳳山絢乃, 他. ハイフローセラピーの装着感及びスキントラブルの実態. 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌. 2018 ; 27 : 163-7.

CHAPTER 04 機械式ブレンダーのすごさと限界を知る

P.54 掲載の参考文献
1) 厚生労働省医政局長. 「医療ガスの安全管理について」の一部改正について. 医政発 1216 第1号, 令和3年12月16日. http://www.hospital.or.jp/pdf/15_20211216_01.pdf (最終閲覧 2022年7月7日)
2) IMI. 空気・酸素混合装置3800マイクロブレンダ添付文書. 2019年6月 (第8版) https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/md/PDF/100001/100001_11B1X00001000027_A_01_08.pdf (最終閲覧 2022年7月7日)
3) 吉岡淳, 中根正樹, 川前金幸. 空気-酸素ブレンダーに起因する空気配管への酸素混入トラブル. 人工呼吸. 2012 ; 29 : 256-60. http://square.umin.ac.jp/jrcm/pdf/29-2/kikanshi29_2_pdf02.pdf (最終閲覧 2022年7月7日)
4) アトムメディカル, 日本新生児生育医学会医療器材の安全管理委員会. 【重要】アトムメディカル酸素ブレンダによるガス配管内の逆流現象に対する注意点. 2016年8月17日. http://jsnhd.or.jp/pdf/info20160817atomedblender.pdf (最終閲覧 2022年7月7日)
5) アトムメディカル. 蘇生装置 I/II/III/IV (インファウォーマi用) 流量計付ブレンダ OX-370, 流量計付ブレンダ OX-370HFをご使用のお客様へ 製品ご使用上の注意に関するお知らせ. 2017年3月. https://www.atomed.co.jp/news/63_blender_1703.pdf (最終閲覧 2022年7月7日)

CHAPTER 05 乱立するハイフローセラピー機器の違いを知り活用を考える

P.75 掲載の参考文献
2) Miyazaki Y, Inoue S, Hirose H, et al. High-velocity nasal insufflation increases nasopharyngeal pressure with flow-dependent manner compared with high flow nasal cannula in adult volunteers-a singlecenter prospective observational study. Kobe J Med Sci. 2021 ; 67 : E92-7.
3) 恒石鉄兵, 相川政紀, 酒井勇輝, 他. ハイフローセラピー施行中の呼吸障害患者における移動式ハイフローシステムを用いた長距離歩行訓練の臨床的効果. 人工呼吸. 2019 ; 36 : 165-72.
4) 結城昌子. 医用電子機器や医用室に安心安全な医用UPS. 第47回日本医療福祉設備学会. 東京. 2018年11月21日.
5) 福政宏司, 辻聡. ガス供給と電源容量の問題が解決されhigh flow nasal cannula呼吸補助下に施設間陸路搬送した1例. 日救急医会誌. 2018 ; 29 : 247-53.

CHAPTER 06 Apneic oxygenation と流量計ふりきり法

P.91 掲載の参考文献
8) De Jong A, Monet C, Jaber S. Apnoeic oxygenation for intubation-where is the evidence? ICU Management & Practice. 2021 ; 3 : 138-40. https://healthmanagement.org/c/icu/issuearticle/apnoeicoxygenation-for-intubation-where-is-the-evidence (最終閲覧 2022年7月7日)
13) 小尾口邦彦. ER・ICU診療を深める 1 救急集中治療医の頭の中 Ver.2. 中外医学社 ; 2016.

CHAPTER 07 NPPV と COPD を復習し NPPV が COPD を得意とする理由と ARDS を苦手 ? とする理由を知る

P.107 掲載の参考文献
1) 小尾口邦彦. こういうことだったのか!! NPPV. 中外医学社 ; 2017.
4) 日本呼吸器学会NPPVガイドライン作成委員会. NPPV (非侵襲的陽圧換気療法) ガイドライン (改訂第2版). 南江堂 ; 2015.
5) 日本呼吸器学会COPDガイドライン第5版作成委員会. COPD (慢性閉塞性肺疾患) 診断と治療のためのガイドライン 2018 第5版. 日本呼吸器学会 ; 2018.
7) Rhodes A, Evans LE, Alhazzani W, et al. Surviving Sepsis Campaign : international guidelines for management of sepsis and septic shock : 2016. Crit Care Med. 2017 ; 45 : 486-552.
8) Evans L, Rhodes A, Alhazzani W, et al. Surviving Sepsis Campaign : international guidelines for management of sepsis and septic shock 2021. Crit Care Med. 2021 ; 49 : e1063-143.

CHAPTER 08 ハイフローセラピー vs NPPV

P.118 掲載の参考文献

CHAPTER 09 重症患者管理において血液ガス pH と乳酸値と呼吸数を最重視する理由を知る

P.145 掲載の参考文献
1) 小尾口邦彦. こういうことだったのか!! NPPV. 中外医学社 ; 2017.
3) Fontana V, Santinelli S, Intemullo M, et al. Effect of acetazolamide on post-NIV metabolic alkalosis in acute exacerbated COPD patients. Eur Rev Med Pharmacol Sci. 2016 ; 20 : 37-43.
4) 日本呼吸器学会. NPPV (非侵襲的陽圧換気療法) ガイドライン 改訂第2版. 南江堂 ; 2015.
5) Evans L, Rhodes A, Alhazzani W, et al. Surviving Sepsis Campaign : international guidelines for management of sepsis and septic shock 2021. Crit Care Med. 2021 ; 49 : e1063-143.
6) Royal College of Physicians. National Early Warning Score (NEWS) 2. https://www.rcplondon.ac.uk/projects/outputs/national-early-warningscore-news-2 (最終閲覧 2022年7月13日)
9) 小尾口邦彦. こういうことだったのか!! ECMO・PCPS. 中外医学社 ; 2020.

最近チェックした商品履歴

Loading...