五大疾患とされている精神疾患は,その中でも有病率第2位を占めており,国民病ともいえる.診断基準もDSM-5からICD-11へとバージョンアップされた今,日本医師会雑誌の生涯教育シリーズとして,『精神疾患診療』が発行となった.本書では,子どもから高齢者まで,ライフサイクルを通じて目にする精神疾患について,うつ病・不安症,発達症,認知症などを中心に概説した.症状から考えるポイントや,場面ごとに遭遇しやすい疾患などを挙げ,学校医や産業医ほか,実地医家の先生方が一般診療の中で使いやすいように工夫している.