第5章 痛覚変調性の慢性痛
I 慢性腰痛
1.慢性腰痛の脳内で何が起きているか?
2.腰痛を慢性化させる要因
II 線維筋痛症
1.線維筋痛症の痛み
2.線維筋痛症患者の脳で何が起きているか?
III 慢性痛覚過敏,広汎性痛覚過敏(Widespread Hypersensitivity)
IV 痛覚変調性の慢性痛:脳内でどんな機序が起きているか?
V 痛みを難治性疼痛に転化させる破局的思考
Default Mode Networkに反映される破局化思考
第6章 慢性痛の治療法
I 薬物療法・神経ブロック
1.非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
2.アセトアミノフェン(acetaminophen)
3.麻薬性鎮痛薬,合成麻薬,オピオイド
4.抗てんかん薬(抗けいれん薬)
5.抗うつ薬(antidepressants)
6.神経ブロック
II 認知行動療法・マインドフルネス
1.認知行動療法(CBT)
2.マインドフルネス・ストレス軽減法(MBCT)
3.治療で回復する慢性痛患者の脳
III 脳刺激法
1.大脳皮質運動野刺激
2.反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)
3.経頭蓋直流刺激(tDCS)
IV 筋運動
1.筋運動による痛みの軽減
2.筋活動の生理的意義:骨格筋は分泌器官
3.筋活動の生理的意義:PGC1-αの発現
4.PGC1-αによる慢性炎症の抑制
5.PGC1-αの抗酸化・抗老化作用
6.PGC1-αによる筋力増強作用
7.健康維持に適した筋運動は?
第7章 神経変性疾患と慢性炎症
I パーキンソン病
1.パーキンソン病:運動症状と非運動症状
2.パーキンソン病の痛み:脳内機構
3.脳内ドパミンの変動と痛み
4.パーキンソン病の痛みの治療
5.パーキンソン病発症を源にさかのぼる
II 脳と慢性炎症
1.免疫細胞とインフラマソーム
2.慢性炎症は「万病の源」
3.慢性炎症を抑制する薬は?
III 慢性痛とDepression
1.Depressionの分子機構:脳内で慢性炎症が起きている
2.脳内炎症が意欲と精神活動を停滞させる
3.ケタミンによるDepressionの回復
IV 脳と認知機能障害
1.アルツハイマー病の症状と脳画像
2.アルツハイマー病の生物学的基盤――アミロイドβとTau
3.アルツハイマー病の生物学的基盤――脳内グリアによる慢性炎症
4.認知症と海馬――認知症と海馬体積,長寿者の脳
5.認知症のリスクファクターとその対策
V 記憶のメカニズム
1.海馬――記憶の中枢
2.海馬では日々,ニューロンが新生している
3.新生ニューロンが記憶機能を担う
4.高齢者の脳と記憶力
5.認知機能と筋運動
6.海馬萎縮の原因
7.記憶には反復と睡眠
VI 高齢者とサルコペニア
1.サルコペニア――死のリスク
2.サルコペニアの診断
3.サルコペニアの機序
第8章 腸の痛み,腸と脳の連関――Gut-Brain Interaction
I 腸管の侵害受容機構
1.腸管は生体防御の激戦区
2.炎症性腸疾患,過敏性腸症候群
3.消化管の神経機構
4.腸管に分布する侵害受容体
5.TRPV1は免疫系の斥候――病原菌侵入を阻止する
6.制御性T細胞(Treg)による免疫寛容――食物アレルギーの抑制
II 神経変性疾患と腸脳連関
1.シヌクレイン症(パーキンソン病,多系統萎縮症,Lewy小体病)
2.パーキンソン病発症リスクと炎症性腸疾患
3.根源的な謎:α-Synとは何か
4.血液脳関門Blood Brain Barrierの構造
5.BBBの崩壊――アルツハイマー病,パーキンソン病,COVID-19
6.脳の老化は腸から始まる――加齢とDysbiosis
III ワクチンと腸内細菌
1.ワクチンをめぐる謎――副反応だけ重くて抗体ができない?
2.中和抗体の産生に腸内細菌が必要
3.二次胆汁酸と制御性T細胞――重い副反応が抑制される