物理・化学・数理から理解する生命科学

出版社: 羊土社
著者:
発行日: 2024-03-05
分野: 基礎・関連科学  >  生命科学
ISBN: 9784758121712
電子書籍版: 2024-03-05 (第1刷)
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商品紹介

基本トピックを7章にわけ,法則・理論を重視したミニマムな解説と,具体的な問いから構成.厳選された45の問いと生物学的な意義を「少しずつ学ぶ」ことを通して,可能性や広がりに気づく教養としての生命科学

目次

  • 序章 物理・化学・数理的な生命のみかた

    1章 生体分子:細胞をつくりあげる物質群
     1.1 細胞を構成する有機化合物
     1.2 タンパク質
      タンパク質は複雑な立体構造を形成して機能を発揮する
      例題1-1:タンパク質の分子量と等電点
      [Biological Insights] なぜ分子量や等電点に注目するのか
      電気泳動という実験方法
      例題1-2:タンパク質の電気泳動パターンと分子量
     1.3 脂質
      例題1-3:生体膜を構成する脂質分子の個数
      [Biological Insights] 生体膜とリポソーム
     1.4 糖
     1.5 核酸
     演習 生体分子が情報を伝達する
      演習1:情報伝達物質と受容体の結合定数
     1章 まとめ
     課題 タンパク質の構造表示
      課題1:プリオンの構造をウェブ上で観察する
      立体構造ビューア
      [Biological Insights] タンパク質の立体構造の変化と線維化

    2章 生命活動の駆動力:代謝と自由エネルギー
     2.1 生命活動と自由エネルギー
      例題2-1:ATPの自由エネルギー
      [Biological Insights] 生体内におけるATP
      例題2-2:代謝反応の自由エネルギーと平衡定数
      [Biological Insights] 解糖系・糖新生・光合成で機能するGAPDH反応
     2.2 自由エネルギーの保持物質としてのATPとNAD(P)H
      例題2-3:酸化還元電位
      [Biological Insights] 代謝のエネルギー効率は非常によい
     2.3 基本的な代謝系
      解糖系
      クエン酸回路
      光合成の炭素固定回路(カルビン-ベンソン回路)
     2.4 酵素
      酵素は2種類の特異性をもつ
      酵素反応の特徴
     2.5 酵素活性の調節
      アロステリック制御
      リン酸化による酵素活性の調節
     演習 酵素反応のキネティクス
      演習2-1:ミカエリス-メンテンの式の導出と実験データへの適用
      [Biological Insights] 地球上で最も多い酵素RubisCO
     演習 代謝系のキネティクス
      演習2-2:一定の基質供給がある酵素反応
     2章 まとめ
     課題 酵素反応のシミュレーション
      課題2:一定の基質供給がある酵素反応のシミュレーション

    3章 遺伝情報
     3.1 情報分子としての核酸
      遺伝情報を担うDNAの特性
     3.2 遺伝子
      ゲノムと染色体と遺伝子
      遺伝子型と表現型を区別して考える
     3.3 DNAの複製
      複製には鋳型とプライマーが必要である
      複製とポリメラーゼ連鎖反応(PCR)
      例題3-1:複製のしくみ―PCRを例に
      [Biological Insights]遺伝子解析に欠かせない実験技術
      複製はきわめて正確
      例題3-2:DNAの情報量と複製のエラー率
      [Biological Insights]ゲノム情報は最適化されているか
     3.4 RNAへの転写
      セントラルドグマ
      DNA上には、転写の始まりと終わりの位置を指定する領域がある
     3.5 真核生物のmRNAプロセシング
      スプライシングの意義
     3.6 リボソームはタンパク質合成(翻訳)の場
      例題3-3:遺伝子とタンパク質の関係
     演習 細胞分裂の回数
      演習3-1:細胞分裂とテロメア
      [Biological Insights]直鎖状DNAか環状DNAか?
     演習 逆転写酵素をつかった検査法
      演習3-2:遺伝子発現量の測定
      [Biological Insights]新型コロナウイルスの検出方法(RT-PCR検査)
     演習 ORFと制御にかかわる配列の関係
      演習3-3:塩基配列の情報量
      [Biological Insights]遺伝子と発現制御配列の並びは偶然(ランダム)ではない
     3章 まとめ
     課題 ゲノム情報の表示
      課題3:遺伝情報データベースの利用

    4章 細胞の構造と増殖
     4.1 細胞の構造と細胞小器官
      細胞小器官が存在する
      例題4-1:細胞小器官の形態と物理的性質
      [Biological Insights]膜系から関連を推定する
      細胞骨格とモータータンパク質
     4.2 細胞の分裂と増殖
      細胞分裂の準備には4段階ある
      細胞周期はサイクリンとCDKが制御する
      細胞周期を進めてよいかのチェックポイント機構がある
      細胞増殖は個体群成長などにもつながる概念である
      例題4-2:細胞の増殖と競合
      [Biological Insights]培養細胞集団の増殖におけるふるまい
     4.3 細胞内小胞輸送
     演習 空間・時間・エネルギーの階層性
      演習4-1:生命の階層性
      [Biological Insights]さまざまな階層、スケールを超えて共通する法則がある
     演習 細胞内の反応と試験管内の反応は異なる
      演習4-2:細胞内の混み合い
      [Biological Insights]水溶液中とは異なる反応がみられる
     演習 細胞内における生体分子の拡散と輸送
      演習4-3:細胞内における生体分子の拡散と輸送
      [Biological Insights]さまざまな伝達速度を使い分けている
     4章 まとめ
     課題 細胞内反応のモデル化
      課題4:細胞周期のシミュレーション
      考え方:細胞内反応を微分方程式で表す

    5章 システムとしての生命の特性
     5.1 生命のシステムにおけるネットワーク
     5.2 遺伝子発現制御が形作るネットワークの基本形
      例題5-1:転写の自己制御
      例題5-2:2遺伝子の相互制御
      [Biological Insights]バクテリオファージの溶原サイクルと溶菌サイクル
      [Biological Insights]合成生物学
     5.3 代謝制御とホメオスタシス
      考え方:ネットワークモチーフ
      例題5-3:転写ネットワークのモチーフ
     演習 転写ネットワークとフィードバック回路
      演習5-1 正と負のフィードバック回路
     演習 分解を考慮した転写制御
      演習5-2:転写制御のモデル
      [Biological Insights]生体分子の分解
     演習 分解を考慮した転写のフィードバック制御
      演習5-3:転写のフィードバック制御
      [Biological Insights]大腸菌は40個の自己制御の転写ネットワークをもつ
      連続的な濃度効果を記述するためのヒル関数
     5章 まとめ
     課題 応答が早まる制御回路
      課題5:インコヒーレントフィードフォワード回路による制御

    6章 生命のダイナミクスとパターン形成
     6.1 正のフィードバック回路を含むシステム
      例題6-1:相互促進と相互抑制がつくる定常状態
      考え方:アイソクライン分析
      例題6-2:正のフィードバック回路のアイソクライン分析
      [Biological Insights]隣接細胞間で相互抑制がみられるとどうなるか
     6.2 要素の空間内移動を伴うシステム
     6.3 反応拡散系
      [Biological Insights]体表模様
     6.4 高次の形態パターンの形成
      [Biological Insights]モルフォゲンによる形態形成
     演習 相互抑制の正のフォードバック回路例
      演習6-1:Notch-Delta系による側方抑制
      [Biological Insights]Notch-Delta系による側方抑制
     演習 細胞における反応拡散系
      演習6-2:2細胞のチューリングモデル
     演習 初期発生におけるパターニング
      演習6-3:胚のパターン形成
      [Biological Insights]ショウジョウバエの体節形成原理
     演習 植物ホルモンと発生・成長の調節
      演習6-4:オーキシンの極性輸送と形態形成
      [Biological Insights]葉や花の位置はどう決まるか
     6章 まとめ
     課題 ダイナミクスをシミュレーションする
      課題6:チューリングパターン形成のシミュレーション

    7章 マクロスケールのダイナミクス
     7.1 生物間相互作用と生物群集
      個体群の成長
      ロトカ・ボルテラの競争系
      例題7-1:競争関係の結末
      [Biological Insights]共存できる条件
      ロトカ・ボルテラの捕食系
      現実的な捕食系
     7.2 進化と系統
      自然選択と適応進化
      例題7-2:最適成長スケジュール
      [Biological Insights]最適成長スケジュールの進化
      発展:事前知識なしでの最適解探索
      自然選択によらない進化:遺伝的浮動
      例題7-3:ハーディ・ワインベルグ則の導出
      [Biological Insights]お酒に弱い体質が証明する血縁関係
      分子進化の中立説
      分子系統樹
     演習 変異の固定・消失
      演習7:遺伝的浮動のシミュレーション
     7章 まとめ
     課題 数理モデルや最適化計算と生物学のさまざまな接点
      課題7-1:海洋で見られるバイオマスの逆転
      課題7-2:ポントリャーギンの最大化原理や動的計画法について調べてみよう
      課題7-3:配列アラインメントと系統樹の作成
      [Biological Insights]さまざまな系統樹作成法

この書籍の参考文献

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本参考文献は電子書籍掲載内容を元にしております。

序章 物理・化学・数理的な生命のみかた

P.22 掲載の参考文献

1章 生体分子 - 細胞をつくりあげる物質群 -

P.45 掲載の参考文献

3章 遺伝情報

P.77 掲載の参考文献

4章 細胞の構造と増殖

P.104 掲載の参考文献

5章 システムとしての生命の特性

P.123 掲載の参考文献

6章 生命のダイナミクスとパターン形成

P.135 掲載の参考文献

7章 マクロスケールのダイナミクス

P.161 掲載の参考文献
3 「分子進化の中立説」(木村資生, 他), 紀伊國屋書店, 1986

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