日常臨床で実践できるトラウマケアとは
抑うつや不安など,患者にみられる精神症状の背後には,言葉にされていないトラウマが隠れているのかもしれません.患者の苦しみを理解し,ケアしていくためには,「語られないトラウマ」の存在にも目を向ける必要があります.
そして,トラウマに気づき,ケアすることには,必ずしも専門的な技法が必要なわけではありません.日常臨床で安全な治療関係を築き,今生じている困難への支援を行うことも立派なトラウマケアです.
本書では,精神科臨床におけるトラウマの基礎知識や支援の心構えを解説します.また,トラウマと発達は相互に影響することから,両者の関係や発達段階に応じたトラウマケアも取り上げます.「語られないトラウマ」に気づくための視点や臨床に生かせる具体的なアプローチも紹介します.