現在わが国の長期透析患者は15万に達しようとし、世界でも透析王国と名指しされている。それは量的のみならず、質的にも評価されるわけで、死亡率の低いことは世界第一である。患者数の多い事は腎移植数が欧米に比較して極端に少ないことにもよるが、透析技術および患者ケアについては、わが国が最も優れている。それと同時に患者さん自身の自己管理も欧米に優り、患者さんとその家族の連帯健康管理が理想的と言えよう。特に欧米では血液透析においても腹膜透析にいおても2〜.3割に栄養障害があると言われ、食事療法の不適性な典が問題視される。その点、わが国の患者さん達の食事療法のレベルは高く、栄養障害の比率も低い。食事療法の指導書も数多いが、本書は具体的な献立を写真をそえて明快に説明している点で独創的である。豊富な臨床経験から患者さん達に受け入れられやすいメニューを作った点が光っている。(「まえがき(第1版))より}