病理医にも役立つ法医解剖入門

出版社: 文光堂
著者:
発行日: 2003-04-28
分野: 基礎医学  >  法医学
ISBN: 483060607X
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13,200 円(税込)

商品紹介

病理学と法医学は,いずれも明治維新後にドイツ医学から移植されたものであるが,従来この2つの学問分野で実務が重なることはまずなかった.しかし最近,病院着院時心肺停止(CPAOA)のまま死亡する症例や,承諾解剖の増加による内因子関与の死亡例など両分野の境界事例が増えてきている.こうした境界域での実務担当者として監察医があげられるが,監察医制度は東京や大阪などわが国では4地区にしかなく,また監察医育成のための教育システムも大学にはない.そこで,とくに法医学的なトレーニングを積んでいない病院病理医を中心とした解剖医のために,病理医が行なえる範囲内での法医解剖の実際について,実務に即しつつ具体的にわかりやすく解説.若手法医学者にも十分参考となる内容.

目次

  • 病理医にも役立つ法医解剖入門

    ―目次―

    1章 法病理学と法医解剖
     1.歴史のなかにみる死体解剖
     2.病理学の歴史
     3.法医学教室で行われている解剖
      1)司法解剖に必要な手続き
      2)嘱託内容
      3)実際の司法解剖
      4)鑑定結果
      5)承諾解剖について
      6)再解剖について
    2章 異状死体の基礎知識
     1.異状死体とは
     2.異状死ガイドライン
     3.医療行為が関係した死亡における最近の医学界の動き
     4.病理医が遭遇する異状死体
     5.司法当局の異状死体の考え方
      1)犯罪死体・非犯罪死体・変死体
      2)届け出後の対応
     6.監察医制度のある地区の場合
    3章 異状死体の見方とその対応 その1 外表所見の記録
     1.写真
     2.図
     3.口述
    4章 異状死体の見方とその対応 その2 外表上の法医学的異状所見
     1.損傷を除く一般的な死体外表観察の手順
     2.一般的な注意事項
     3.個々の異状所見の解説
     4.死後変化、特に晩期死体現象
    5章 異状死体の見方とその対応 その3 一般内部所見と法医学的異状所見
     1.一般的な注意事項
     2.それぞれの部位で留意すべきこと
     3.感染症への配慮
     4.病理解剖後の再解剖
    6章 突然死の法医学 その1 心臓性突然死:虚血性心疾患を中心に
     1.突然死症例の特徴
     2.心臓性突然死
      1)虚血性心疾患
      2)その他の冠動脈疾患
    7章 突然死の法医学 その2 心臓性突然死:心筋疾患を中心に
     1.心筋疾患(心筋症)
      1)肥大型心筋症hypertrophic cardiomyopathy(HCM)
      2)拡張型心筋症dilated cardiomyopathy(DCM)ほか
      3)不整脈源性右室心筋症arrhythmogenic right ventricular cardiomyopathy(ARVC)
      4)心筋炎
      5)筋ジストロフィーに伴う心筋病変
      6)心サルコイドーシス
      7)その他の心筋疾患
     2.弁膜疾患・先天性心疾患
     3.不整脈死と刺激伝導系の形態学
     4.突然死例での心臓の検索方法について
    8章 突然死の法医学 その3 心疾患以外の原因による突然死
     1.大血管疾患など
      1)急性大動脈解離
      2)肺動脈血栓塞栓
      3)その他の血管疾患
     2.脳血管障害
     3.大酒家と突然死
     4.気管支喘息
     5.その他の疾患
      1)てんかんと突然死
      2)閉塞型睡眠時無呼吸症候群 obstructive sleep apnea syndrome(OSAS)
      3)内分泌・代謝疾患
      4)精神疾患のある患者の突然死
      5)入浴中の突然死
      6)その他
    9章 突然死の法医学 その4 小児の突然死
     1.原因不明の乳児突然死
     2.乳児突然死の解剖
     3.どこまでの病変が死因に関連するか
     4.状況調査とその解釈
     5.窒息との鑑別
     6.新生児期の原因不明の突然死
     7.小児のその他の突然死
     8.硬膜下血腫と虐待について
    10章 中毒が疑われた場合の注意点
     1.はじめに−肉眼所見と中毒−
     2.まず中毒を疑うこと
     3.試料の採取と保存
     4.薬物スクリーニング検査
     5.植物毒について
     6.致死量
    11章 交通事故に関連した剖検ならびにその診断上の注意点
     1.交通事故死体の法医学的解析−若干の予備知識−
     2.病理医が遭遇する交通事故例
     3.警察への届出について
    12章 医療事故が疑われる症例の扱い
     1.医療事故の可能性のある症例の届出について
     2.法医領域の解剖で経験される医療事故症例のパターン
     3.医療事故症例の剖検
    13章 剖検所見の問い合わせに関する諸問題とその対応
     1.遺族が知りたいこと
     2.保険会社が知りたいこと
     3.弁護士が知りたいこと
     4.警察が知りたいこと
     5.特殊なケース
     6.裁判所からの呼び出しと証人喚問
    14章 法的に問題と思われる剖検症例に遭遇した場合の病理医の最低限の対処方法
     1.病院外で死亡が確認されたりあるいはDOA(到着死)の症例の場合
     2.病院内で死亡した場合で何らかの法的な問題が生じているのではないかと思われる剖検例
    15章 米国における法医学と病理学の現状
     1.Forensic Pathology or Legal Medicine 法医学はどちらか?
     2.Medical ExaminerとCoroner
     3.Coronerとは?
     4.法医学者forensic pathologistになるためには?
     5.病理学の卒後教育におけるForensic Pathology
    16章 司法解剖・病理解剖等に関連する主な法令ならびに通知
     1)死体解剖保存法
     2)死体解剖保存法の施行に関する件
     3)生体より分離した前膊部、下腿部及び臓器等保存に関する件
     4)死体解剖保存法第18条及び第19条の規定に基く死体の全部又は一部の処理方法について
     5)死体保存について
     6)死体解剖資格の認定について
     7)死体解剖資格認定の申請手引きについて
     8)病理解剖指針について
     9)臓器移植と検視その他の犯罪捜査に関する手続との関係等について
     10)食品衛生法
     11)検疫法
     12)感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
     13)刑法
     14)刑事訴訟法
     15)民法
     16)民事訴訟法
     17)弁護士法

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