インフルエンザは圧倒的に小児の罹患率が高いが、死亡者は高齢者である。New_Eng_J_Medに『日本における学童のインフルエンザワクチン接種の実験』と題する論文が掲載されたのはこの5月であった。6名の著者のうち4名が米国人であることが目を引いたことはさておき、この論文には2つのメッセージが含まれている。1つは、わが国のインフルエンザワクチン接種率が先進国では恥かしいほどに低下した近年、過剰死亡が明らかに増加したこと。第2に、学童の接種であっても高齢者の過剰死亡を引き下げる効果があるということである。