オトナになってからの受験では勉強に割ける時間は限られています。悲しいことに記憶力も年々低下していきます。筆者は、周囲の人たちが明らかに非効率的な勉強をしていたり、間違いだらけの問題集に悩んでいたりといった状況をみるにつけ、「肩の力を抜いてもっと気楽に勉強したら?」と考えてきました。介護支援専門員実務研修受講試験には、「受験のしかた」「合格のための方法論」とでもいえるものが存在すると思います。そんな何かを講習会でも話してきたインターネットのBBSでも示してきました。中には「試験に合格するだけではダメだ。ケアマネジメントの精神が大切だ」という正論をおっしゃる方もありますが、目前に試験を控えている受験者にはキレイゴトにしか聞こえません。まずは合格しなけりゃ何も始まらないのです。本書には、この試験に挑戦する皆さんが、もう少し「受験」を客観的に眺められるように、本番で余裕を持って問題文を評価できるようにという願いが込められています。知識の袋ではなく知恵の袋です。眉間にしわを寄せず気楽に読んでください。本書を貫く主張は何もありません。でも読んだ後、少しばかりはリラックスできるはずです。(「初版序文」より)