人間は関係的存在であり、孤立して生きることは極めて難しい。身近な家族や親しい人々との関係や心の脈絡が、問題の発生にかかわるだけでなく、解決を支援する絆となることが理解されるようになった。原著者オリーリは最近の潮流にそって、家族療法やカップル・カウンセリングを「関係療法・関係カウンセリング」と総称し、その基礎理論と支援の進め方について、長年の臨床経験に基づいて簡潔に解説している。クライエント個人への共感的理解と支援を重視するパーソン・センタードの立場から関係カウンセリングの実践を目指した本書は、家族とカップルの問題に関わる全ての人々に貴重な示唆をもたらすものとなろう。