高齢者総合診療では,病気だけを診ず,個人差の大きな一人ひとりの身体的,精神神経的,社会的背景を十分に把握して「高齢者を診る」という視点,個々の患者の生活機能やQOLの維持を中心に考えた治療方法の選択や治療目標を立てるという,包括的,全人的医療が要求されます。本書ではそれに資することを目的に,各分野の高齢者診療のエキスパートが解説。「総論的事項」「高齢者に多い症候」「高齢者に多い疾患」の3章と「付録」にわけ,高齢者の医療,介護から福祉を含む社会的な側面までを解説し,診療現場ですぐに治療方針の選択を可能にする実臨床の書になっています。