本書は、ロールシャッハ法、ベンダー・ゲシュタルト法、火焔描画法の三つのテスト結果を数値化して心理査定データベースを作成することにより、それを基に得られる人格的特徴、臨床的情報などをまとめた書である。第1部では、著者が考案した心理査定データベースの構造と手順、データサンプリングの立場、採用した28群の臨床例の内訳などを解説し、データベース運用によって作成されるマップの概要を説明する。第2部では、三つのテストのスコアリング手法を詳しく解説する。第3部は、著者が長年蓄積してきた3411の原データベースから、各検索条件による564組の出力マップを、対応する事例や臨床的特記事項などと併せて掲載する。第4部は、このアトラスを自在に使用するための要点と各面からの臨床的索引を載せている。医療、教育・児童福祉、少年鑑別所、家庭裁判所などの臨床の現場で心理査定を行なう臨床心理士や、精神科医などの医療関係者が幅広く活用できるよう工夫した、わが国初の試みの成書。