食物の科学は、人間の食生活や健康を支える基礎となる学問として重要な役割をはたしている。本書は、私達が日頃摂取している食品の機能を明らかにし、食品成分や栄養素と生体との関係、生体の栄養要求、食生活と健康との係わりなどの基礎的事項を平易に解説したものである。著者らの長年の講義経験による簡明な説明と、数式や化学構造式はできるだけ省き、多くの親しみやすい図表を用いているので、高等学校で生物学を履修した学生がすぐ理解できる。三訂版では、第六次改定「日本人の栄養所要量」、五訂「日本食品標準成分表」発行に伴い、すべての関連データとこれに関わる記述を見直し、時代にマッチした解説がなされている。大学や短期大学などでの食物栄養学・食品学等の教科書はもとより、保健・看護に関係する人や家庭の主婦にも役立つ書である。