医療者のための結核の知識 第5版

出版社: 医学書院
著者:
発行日: 2019-06-01
分野: 臨床医学:内科  >  感染症/AIDS
ISBN: 9784260038256
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商品紹介

わかりやすく実践的と定評のある、結核とNTM(非結核性抗酸菌)症の本
実践的でわかりやすい記述に定評があるロングセラー書籍の待望の改訂第5版。結核の疫学、病態生理、検査、治療、感染対策、発病予防に必要な知識がコンパクトにまとめられている。今改訂により非結核性抗酸菌症(NTM症)が増ページとなり充実した。感染症診療・管理の必携書。加えて、結核感染・発病リスクの高い免疫不全患者、高齢者、がん患者等の医療、ケア、リハビリテーションにかかわるすべての職種にも有用な1冊。

目次

  • I 結核の今と昔
     A 世界と日本の結核の現状
      1.世界の結核の現状
      2.日本の結核の現状
     B 結核の歴史と現在の課題
      1.ミイラにみる古代の結核
      2.人口の密集化で増加した中世の結核
      3.産業革命に伴い世界各地でまん延した近代の結核
      4.まん延から衰退へ――しぶとく残る現代の結核
     C 疫学的観点からみた結核の特徴と根絶への道程
      1.結核疫学の指標――死亡率・罹患率と背景にある感染率
      2.結核は大都市圏で多く発生する――罹患率の国内地域差
      3.結核の発病には種々の因子が影響する――個体の抵抗力が重要
      4.結核は若年者疾患として始まり高齢者疾患へ移行する
      5.人口流動化は結核発生を増加させる――外国人結核の関与
      6.結核の根絶には感染率の徹底低下が必要
     D 結核の分子疫学
      1.結核菌の遺伝子タイピング法
      2.分子疫学で得られた知見

    II 結核はどんな病気か
     A 結核の起こり方――結核菌と結核
     B 結核菌の特徴
     C 結核の感染と発病
      1.感染の成立
      2.結核の感染から発病へ
      3.感染に連続的に起こる発病(一次結核)と間をおいて起こる発病(二次結核)
     D 結核の病理所見
      1.滲出性反応
      2.繁殖性反応
      3.増殖性反応
      4.硬化性反応
      5.空洞病変
     E 結核はどんなときに起こりやすいか
      1.結核感染が起こりやすい環境
      2.結核の発病に関与する因子
     F 結核の臨床像
      1.慢性の経過をとり,時に致死的となる結核
      2.肺結核の広がり方
      3.肺結核の症状
      4.肺外結核の症状
     G 肺結核後遺症

    III 結核の検査のすすめ方
     A どんなときに結核を疑い,どのように検査をすすめるか
      1.肺結核の診断
      2.肺外結核の診断
     B 肺および胸郭内結核の画像所見
      1.結核病理像の画像イメージ
      2.結核の肺病変はどのように広がるか
      3.結核の病理はどのように画像に反映されるか
      4.肺結核でどのような画像パターンがみられるか
      5.結核の胸部画像所見はどのように分類され用いられるか
     C 結核菌の検査法
      1.検体
      2.塗抹検査
      3.培養検査
      4.同定検査
      5.薬剤感受性検査
     D 生検法
      1.経気管支肺生検
      2.リンパ節生検
      3.胸膜生検
     E 感染の検査法
      1.ツベルクリン反応(ツ反)
      2.インターフェロンγ遊離試験(IGRA)

    IV 結核をどのように治すか
     A 結核治療の流れ
      1.結核治療薬発見の歴史
      2.リファンピシン(RFP)を中心とする化学療法の確立
      3.結核治療と感染症法
     B 治療を始める前の手続き
      1.結核患者の発生届
      2.感染症法による公費負担制度
      3.指定医療機関への入院
     C 治療を始めるにあたって――「結核医療の基準」に関連した一般的事項
      1.治療の際に行う検査
      2.治療の基本方針
      3.患者指導
     D 化学療法の一般的事項
      1.抗結核薬
      2.副腎皮質ステロイド
     E 化学療法の実際
      1.抗結核薬の細菌学的因子
      2.結核の治療に多剤投与が必要な理由
      3.治療のすすめ方
      4.ピラジナミド(PZA)の特徴
      5.ピラジナミド(PZA)を含む治療法の利点
      6.初回標準治療法
      7.ピラジナミド(PZA)の使用頻度
      8.再治療
      9.抗結核薬の副作用
      10.多剤耐性結核の治療
      11.超多剤耐性結核の治療
      12.抗結核薬のこれまでとこれから
     F 治療を成功させるためのDOTS
      1.DOTSとは
      2.都市部における結核対策の強化――日本版21世紀型DOTS戦略から
      3.日本版21世紀型DOTS戦略とこれを推進する体系図
      4.DOTSの位置づけ
      5.感染症法におけるDOTS
     G 入・退院基準
      1.感染症法による結核患者の管理
      2.入院基準
      3.退院基準
     H クリティカルパス

    V 結核の広がりをどのように抑えるか
     A 結核の発病をどのように抑えるか
      1.BCG接種の効果と限界
      2.結核感染者の発病を抑えるための治療
      3.結核発病のリスクファクターとその対処法
      4.接触者健診
      5.結核ワクチン
     B 医療従事者の結核集団感染防止のために
      1.院内感染対策の必要性
      2.集団発生と集団感染
     C 患者の早期発見と院内感染対策
      1.結核患者をどのようにして発見するか
      2.施設内の結核感染対策
      3.結核患者が発生したときの処置
      4.職員の健康管理
      5.院内感染対策委員会の役割
     D 感染症法に結核予防はどのように位置づけられているか
      1.感染症分類
      2.感染症法における結核対策
      3.感染症の診査に関する協議会

    VI 免疫不全と結核
     A 免疫不全に合併する結核の特徴
     B 免疫不全に合併する結核の診断
     C 免疫不全に合併する結核の治療
      1.HIV感染症合併結核の治療
      2.腎障害時の結核の治療
      3.悪性腫瘍に合併する結核の治療
      4.糖尿病合併結核の治療
      5.副腎皮質ステロイド投与中の結核の治療
     D 免疫不全における結核の発病予防

    VII さまざまな結核――症例提示
      症例 1 腰背部痛を主訴に長期間整体に通った女性
             ──結核性脊椎炎,流注膿瘍,肺結核
      症例 2 咳,食欲低下,体重減少とびまん性の小粒状影をみた高齢の男性
             ──気道散布型病変
      症例 3 発熱が初発症状の東南アジア出身の女性──粟粒結核
      症例 4 喘息として治療されていた女性──気管・気管支結核
      症例 5 市中肺炎と診断された高齢の男性──結核性肺炎
      症例 6 誤嚥性肺炎として治療が続けられていた高齢の男性──高齢者結核
      症例 7 5か月間嗄声が続いた女性──喉頭結核
      症例 8 呼吸困難,発熱で発症した高齢の男性──肺気腫に合併した肺結核
      症例 9 手関節と足関節の腫脹,疼痛がみられた男性──骨関節結核
      症例 10 膝関節結核,粟粒結核の治療中に頭痛・悪心が出現した男性──脳結核
      症例 11 視力障害のため眼科受診した男性──脳結核,粟粒結核,副腎結核

    VIII 非結核性抗酸菌症
     A 非結核性抗酸菌とは
     B 非結核性抗酸菌症の起こり方と臨床像
      1.NTM症の発症機序
      2.NTM症の臨床像
     C 疫学と診断基準
     D 主な肺非結核性抗酸菌症の治療
      1.化学療法
      2.外科治療
      症例 1 少量の喀血を繰り返す中年の女性──肺MAC症
      症例 2 手術療法にて排菌が陰性化した女性──肺MAC症

    付録 参考資料
     A 結核発生届(記入例)
     B 入退院結核患者届出票
     C 入院勧告書
     D 入院延長勧告書
     E 医療費公費負担申請書①(感染症法第37条)
     F 医療費公費負担申請書②(感染症法第37条の2)
     G 結核入院患者調査書

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